【おすすめ】小説家を目指すなら、写本をしないと損ですよ。文章力up、構成力upのための小説の写本のやり方とやる意味

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こんにちは! 浅岡家山です!
小説を書きたいのだけど、初心者で、どう書いていいかわからないとか、どうしたら構成力や文章力を上げることができるか、悩んでいませんか?
一番、良い解決策は、写本をすることです。写本をすることで、構成力も文章力も上がります。
この記事では、私が実際に小説を5冊、写本した経験を踏まえて、写本の具体的なやり方とやる意味から、構成力・文章力を上げる方法を、説明します。
写本は、昔からある方法で、小説家なら誰もが通った道です。そして、今も消えることなく、受け継がれ、それだけ効果がある方法といえます。
私は写本をすることで、伏線などの小説技法を身に付けました!
ブログ記事を読むのが億劫な方は、動画をどうぞ! 内容はブログと同じです。
目次
写本の二通りのやり方について
写本は大きく分けて二通りのやり方があります。
一つは、パソコンに文章を打ち込んでいくやり方です。この場合、小説の構造や文章の構成などを分析するのに向いています。
たとえば、文章を打ち込みながら、その文章はどういう意図や工夫がされているのか分析して、メモしていきます。それを繰り返すことで、たとえば、伏線があり、その後の伏線の回収を知って、こういう風に伏線を貼ればいいのかと気づき、自分の作品を書く場合の参考になります。
また、謎が提示され、誤誘導され、終いに謎の解明がされることがわかると、こういう風に謎や謎の解明をすればいいのかと気づけて、構成の理解につながります。
また、その小説家の文章の意図がわかり、良い文章を書くポイントに気づき、文章力の上達にもつながります。
良いことずくめです。
次に、原稿用紙に鉛筆で書いていく写本を紹介します。
この方法は、原稿用紙に鉛筆で書いていくことで、文章のリズムや長短などを体で覚えるのに向いています。
原稿用紙に書きこむ場合、一行が二十のマス目で区切られているため、自然と、文章の長さを、感覚的に調節できるようになります。
たとえば、文章の長さを調整するために、複数の単語から適したものを選んだり、頭韻のために単語を選んだり、このくらいの内容を書くためには、どのくらいの行数が必要なのか、など、長さの感覚を覚えて、文章に反映させることができます。
これは、五七調の文章を書く場合などにも有効です。五七調の文章を写本をすることで、感覚を覚え、書く際に役立ちます。
写本によって身に付くこと
写本をすることで、身に付くことを一つ一つ説明していきます。
作文のルールがわかる
たとえば、冒頭の文章は、一マス下げるとか、「」を使うときは、改行をするとか、「」のなかで、会話の文末に、○をつけないとか。
会話の文末に○をつけないというのは、たとえば、
「こんにちは。今日も元気です。」のように、文末に○をつけるのは間違いです(昭和初期の文豪や吉本ばななさんのように文末に○をつける小説家さんもいますが、文末に○をつけないのが現在は、主流となっています)
「こんにちは。今日も元気です」が正解です。
正しい日本語を覚える
西谷史さんの『ライトノベルの書き方の教科書』 に書かれていたのですが、西谷さんが受け持つ小説講座の生徒さんが、間違った言葉づかいを記憶していました。
そして習作で、そのまま書いてしまい、注意しても、なかなか治らないので、村上春樹などの文章の上手な作家の写本をさせたところ、言葉づかいが治ったそうです。
参考文献『ライトノベルの書き方の教科書ⅠⅡⅢ』西谷史 秀和システム
視点の使い方がわかる
視点は、一人称の視点と三人称の視点があります。
小説家さんによって、どちらの視点を使うか分れますが、たとえば、一人称の視点を身につけたければ、一人称の視点の本を写本することで、どういう言葉を使うか、どういう点に気をつければいいかわかると思います。
一人称、三人称、それぞれ特有の言葉遣いがあり、写本をすることで、身に付けられます。
読みやすい文章とは何かがわかる
『発想法入門』という本に書かれていたことですが、マインドマップという発想法によると、人間の脳は、 放射的に考えるようにできているそうです。
どういうことかというと、Aについて考えていたのが、ある程度、時間が過ぎると、突然、Bという考えのほうに移ってしまうということです。
つまり、もともと論理的に考えるようにはできていないということです。
だから、初心者が、小説を書こうとして、頭に浮かんだことをそのまま書いていくと、論理性のない支離滅裂な文章になります。
プロの小説家の本はそういうことがありません。論理的にできています。
たぶん、何百回と文章を書いていくうちに、矯正されて、論理的な考えが書けるようになるのでしょう。
写本をすることで、論理的な文章、読みやすい文章とはどういうものかわかっていきますし、書けるようになります。
参考文献『発想法入門』星野匡 日経文庫
小説の構成のテクニックがわかる
写本をしていると、こういう風に伏線を貼るのか、そして、こうやって伏線を回収するのか、とか、テクニックの存在に気付くと思います。
そこで終らずに、その構成の技法を、メモしておきます。そして、さらにそれを膨らませる努力をしましょう。
伏線なら、メモを参考にして、伏線の貼り方や回収の方法を、最低でも30個は、自分なりに考えて、テキストファイルなどにまとめておきましょう。そうすれば、作品を書くときに使えます。
文章のテクニックが身に付く
写本をすることで、文章を書く感覚が身に付きます。
それにより、文章の長さの調整、単語の選び方、このくらいの情報を書くにはどのくらいの行数が必要なのかなど、感覚が身に付き、文章力を上げる勉強になります。
また、学んだところで終らず、実際に例文を書いてみましょう。
一つの言い回しを最低でも3つ、例文を書く。それを毎日続けることで、自分のなかにその言葉を自由に使いこなせる回路みたいなものができます。
回路ができたら、その言い回しの練習をやめて、つぎの言い回しにチャレンジして下さい。
毎日、続けることで、文章力が確実に上がっていきます。
写本は何冊ぐらいしたほうがいいか
だいたい、5冊ぐらいです。
あるプロの小説家の講演会で聞いたのですが、その方は、5冊、写本した後、新人賞に応募して、最終選考までいったそうです。
それぐらい写本には効果があります。
ただし、私は、写本する本は、没した小説家さんの本を選んだほうがいいと思います。
何故なら、存命の小説家さんの文章を写本すると、必然的に、その小説家さんの真似をすることになり、その小説家さんを超えることは難しいからです。
存命の小説家さんは作品を書き続けていることで、既に技術力があり、なおかつ今も作品を書いています。つまり、綿々と力を伸ばしているわけで、そこに初心者が挑戦しても、追いつけないからです。
もし追いついたとしても、今度は、同じことを書ける小説家は二人は必要なし、と言われてしまいます。
なので、存命している小説家さんは避けて、没した小説家さんの作品を写本して、文章や構成の勉強をして下さい。没した小説家さんの跡を受け継ぎ、さらに技術を伸ばすことで、新しい作品を生み出すことができます。
私が、写本を通して気付いたこと
私が、小説家を目指し始めた頃、小説の勉強をしようと思い、写本がいいと知りました。でも、半信半疑だったので、写本の効果について調べました。
ある作家のエッセイ本に、「写すことで、描写をたくさんいれたところと、さらっと流すところの違いがわかった」と書いてありました。
そこから、写本というのは、その文章の役割みたいなものに気付いていく行為なのかなと思いました。
それで、私は、実際に写本をすることにしました。
山本周五郎の作品『さぶ』を、原稿用紙に、写していたら、あるとき、ふと、書き手の意図を感じました。
あるお金持ちの家で、主人公の栄二は、娘たちの部屋に入れてもらい、新しく買った着物などを見せられます。
その際、娘の部屋の情景描写が書いてありました。
私は、ふわっと考えが、頭に浮かびました。
この情景描写は、ただ、娘たちの部屋にいるから書かれたのではなく、娘たちの部屋に豪華な箪笥や持ち物を書くことで、金持ちの娘であるということを伝えていると感じました。
つまり、読み手に、金持ちであるということを、情景描写で伝えていたわけです。
それがヒントになって、私は、一文一文、写本しながら、この文章はなぜ書かれたのかを考えるようになりました。
その後、原稿用紙に書くのは時間がかかるので、パソコンに打ち込むことにしました。
一文一文、写しながら、それを分析していくと、書き手の意図がはっきり、わかってきました。
たとえば、『さぶ』の冒頭、
小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。
引用文献『さぶ』山本周五郎 山本周五郎長篇小説全集第三巻p9 新潮社
という文章から、登場人物がどこにいて、何をしているのか。
いわゆる5w1h(いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How))を書くことで、何が起きているかを明示して、読者を物語の舞台へ導く意図があることに気付きました(本文では、なぜ、Whyと、どのように、Howが書かれていませんが)
また、続きの文章で、
双子縞の着物に、小倉の細い角帯、色のあせた黒の前掛をしめ、頭から濡れていた。
引用文献『さぶ』山本周五郎 山本周五郎長篇小説全集第三巻p9 新潮社
と書かれていて、さぶの格好から、どんな仕事をしているか、読み手に伝えていると感じました。
ここからわかることは、プロの作家の文章は、全て意図があって書かれているということです。
そして、写本とは、それを見抜いていく作業だといえます。
また、自分が小説を書くときに、その意図を参考にして書くことで文章力や構成力が上がることに気付きました。
つまり、自分の作品を書くときは、常に意図を持って書く必要があることがわかりました。
これが私が、写本を通して気付いた点でした。
どうでしょうか。写本のやり方や効果が伝わったでしょうか。ぜひ写本をしてみて下さい。色々な気づきが起きて、楽しく学べると思います。また、お金もかからず、簡単にできて、実力も上がり、とてもお得な方法だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
まとめ
○写本には、パソコンに打ち込む方法と、原稿用紙に鉛筆で写す方法がある。
○小説の構成や文章の特徴を分析するには、パソコンに打ち込む方法が合っていて、文章を体で覚えるなら原稿用紙を使う方法が合っている。
○写本をすることで身に付くことは、
1,作文のルールがわかる
2,正しい日本語を覚える
3,視点の使い方がわかる
4,読みやすい文章とは何かがわかる
5, 小説の構成のテクニックがわかる
6,文章のテクニックが身に付く
○プロの小説家の文章は、全て意図があって書かれている。写本によって作者の意図を見抜く
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