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【おすすめ】小説家を目指すなら、写本をしないと損ですよ。文章力up、構成力upのための小説の写本のやり方とやる意味

2023/09/21
 
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 私はKindle作家の浅岡家山といいます!  このブログでは『やさしさ』や『物語技法』『Kindle本』などの皆様に役立つ知恵を、色々な形で発信していきます。
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手っ取り早く上達したいなら写本が一番!

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このブログ記事では具体的に小説の写本の効果や、やり方についてお伝えしていきます。

 よく小説を書く勉強に、小説の写本が役立つと見たことがあると思います。でもどんな効果があるのか? と具体的に教えてくれる本やサイトはほとんどありません。

 私は小説の写本について知ったときに実際に五冊の本を写本しました。そして小説の写本にはどういう効果があるか理解できました

 このブログ記事では具体的に小説の写本の効果や、やり方についてお伝えしていきます。もし興味の湧いてさらに小説の写本について知りたいと思う人は、私の電子書籍の『小説の写本のやる意味とやり方』を読んでみて下さい。一番下に紹介記事へのリンクを載せておきますのでよかったらお読み下さい。

 小説の写本について結論から言えば、写本は作者の意図を見抜く作業です小説の文章を客観的に分析する作業です。なぜなら写本をしていくと文章に仕込まれている伏線や謎や前振りなどに気づくからです。小説の文章の中には作者が読者の感情をコントロールするために様々な仕掛けを仕込まれています。だから小説の文章を読むことで読者は感動したり納得するのです。

 小説の写本をするとその仕掛けに気づき、参考にすることで自分でそれをすることができるようになります。意図する、ができるようになります。

 そして自分のものにすることで文章力、構成力、キャラクター力を伸ばすことができます。

 また目的を持って作品に取りかかるようになり独りよがりな文章や構成が減ります。客観的に作品を作ることが出来るようになります。

 手っ取り早く上達したいなら写本が一番です!

では具体的に写本とはどういうものか見ていきましょう。

目次

写本の二通りのやり方について

 写本は大きく分けて二通りのやり方があります。

 一つはパソコンを使う方法です。

 パソコンのWordやテキストエディッタに小説の文章を打ち込んでいくやり方です。この方法は小説の構造や文章の構成などを分析するのに向いています。

 文章を打ち込みながら作者がどういう意図でこの文章を書いているのかに気づいていきます。例えば伏線を張り、後で伏線の回収が出てきて伏線の存在に気づきます。そしてこういう風に伏線を張ると回収をすればいいのかとわかります。

 また謎が出てきてこれってなんだろう? と思わせておいて後で謎の解明がされてこういうことか! と気づきます。するとこういう風に謎を出してこういう風に謎の解明をすればいいのかとわかります。

 またその文章の意図にも気づいていきます。

 例えば小説の章が変わるたびに冒頭で登場人物の5W3Hが繰り返し提示されていることに気づいていきます。最初のところで5W3Hを提示することで読者を自然に物語世界に引き込んでいることがわかります。

 そういう文章上の工夫に気づいていけます。

 写本のもう一つの方法は原稿用紙を使う方法です。

 原稿用紙に小説の文章を一字一句、ペンで写していていく方法です。この方法は文章のリズムや文章の長短などを体で覚えるのに向いています

 原稿用紙に書きこむ場合、一行が二十のマス目で区切られているため写本を続けることで自然と、文章について気づいていきます。

 例えば長い文章、中くらいの文章、短い文章などが組み合わさって読みやすいリズムが出来ていることに気づきます。長い文章を繰り返しつつ、時々、短い文章を入れてリズムが出来ていることがわかります。

 また文末を「……た」で繰り返していくと一本調子になるので読みの軽さを出すために時々、文末に「……る」を入れることがわかります。

 こういう作者の工夫に気づいていき、それを参考にすることで自分の力を高められます。

写本によって身に付くこと

 他にも写本をすることで身につくことがあります。一つ一つ説明していきます。

作文のルールがわかる

 青空文庫から山本周五郎の『さぶ』の冒頭を引用します。以下が引用した文章です。

 小雨がもやのようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。
 双子縞ふたこじまの着物に、小倉こくらの細い角帯、色のせた黒の前掛をしめ、頭から濡れていた。雨と涙とでぐしょぐしょになった顔を、ときどき手の甲でこするため、眼のまわりや頬が黒くまだらになっている。ずんぐりしたからだつきに、顔もまるく、頭がとがっていた。――彼が橋を渡りきったとき、うしろから栄二が追って来た。こっちはせたすばしっこそうな躯つきで、おもながな顔の濃い眉と、小さなひき緊った唇が、いかにも賢そうな、そしてきかぬ気の強い性質をあらわしているようにみえた。

 引用した文章を見ると、まず”小雨が靄のように”の行頭が一マス下げてあります。次の”双子縞の着物に”でも行頭が一マス下げてあります。これは多分、一マス下げて段落の区切りを表すことで読者が読みやすくなるために、このようになったのだと思います。こういうのが作文のルールです。

 写本をすると作文のルールが繰り返し登場するので作文のルールに気づいていきます。他にも会話の「」を使うときは改行をするとか「」のなかで会話の文末に○をつけないとか作文のルールは色々あります。

 小説の写本をするとその文章の意図が見えてきますから作文のルールも自然にわかってきて身につくと思います。 

小説の構成のテクニックがわかる

 写本をしているとこういう風に伏線を張るのか、そしてこうやって伏線を回収するのかとか、テクニックの存在に気付くと思います。

 そこで終らずに、その構成の技法をメモしておきます。そして実際に自分の作品を作る時にその技法を使ってみましょう。使えば使うほど技法の理解が進み、上達していきます。

文章のテクニックに気づいて身に付ける

 写本をすることで文章を書く感覚やテクニックに気づいて身に付けることができます。

 文章の長さの調整、単語の選び方、文章のテクニック、このくらいの情報を書くにはどのくらいの行数が必要なのかなど感覚やテクニックに気づくことになり、文章力を上げる勉強になります。

 さらに日本語文法の勉強をして文章の構造を分析できるようになるとますます文章力が上がるでしょう。

 また良いと思う文章は暗記するのもお勧めです。暗記した文章をそのまま書けば盗作になりますが、その文章を参考にしてそこから工夫すれば問題ないと思います。文章の定型に気づいていくということです。

 こんな感じで毎日、写本を続けて文章のテクニックを吸収していけば文章力が上がっていくでしょう。

写本は何冊ぐらいしたほうがいいか

 だいたい冊ぐらいです。

 五冊というと途方もなく思えるかもしれませんが、一日一時間で五ページを写本すれば三百ページの本で、約二ヶ月で終わります。五冊なので十ヶ月で終わります。物語を作ることは一生モノなので時間を惜しまず、実行するといいと思います。きっと良い経験になります。

私が写本を通して気付いたこと

 私が写本が勉強になると知った時、半信半疑だったので写本の効果について調べました。

 ある作家の本に「写すことで、描写をたくさんいれたところと、さらっと流すところの違いがわかった」と書いてありました。

 そこから写本というのはその文章の役割みたいなものに気付いていく行為なのかなと思いました。

 それで私は実際に写本をすることにしました。

 山本周五郎の作品『さぶ』を原稿用紙に写していたら、あるときふと、書き手の意図を感じました。

 (『さぶ』のネタバレを含みます)あるお金持ちの家で主人公の栄二は娘たちの部屋に入れてもらい、新しく買った着物などを見せられます。その際、娘の部屋の情景描写が書いてありました。

 その時、私はふわっと考えが頭に浮かびました。

 この情景描写は、ただ娘たちの部屋にいるから書かれたのではなく、娘たちの部屋の豪華な箪笥や持ち物を書くことで金持ちの娘であるということを伝えていると感じました。

 つまり読み手に金持ちであるということを、情景描写で伝えていたわけです。

 それがヒントになって私は一文一文、写本しながらこの文章はなぜ書かれたのかを考えるようになりました。

 その後、原稿用紙に書くのは時間がかかるのでパソコンに打ち込むことにしました。

 一文一文写しながら、それを分析していくと書き手の意図がはっきりわかってきました。

 たとえば『さぶ』の冒頭の文章

小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。

引用文献『さぶ』山本周五郎 山本周五郎長篇小説全集第三巻p9 新潮社

という文章から登場人物がどこにいて何をしているのか。

 いわゆる5W3Hを書くことで、何が起きているかを明示して読者を物語の舞台へ導く意図があることに気付きました。

 5W3Hとはいつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)、どのくらい(How many)いくらぐらい(How much)のことです。『さぶ』の本文では、なぜ、Whyと、どのように、How、どのくらい、How many、いくらぐらい、How muchの四つが書かれていませんが。

また、続きの文章で、

双子縞の着物に、小倉の細い角帯、色のあせた黒の前掛をしめ、頭から濡れていた。

引用文献 山本周五郎 さぶ 山本周五郎長篇小説全集第三巻p9 (2013)新潮社

と書かれていて、さぶの格好からどんな仕事をしているか読み手に伝えていると感じました。

 ここからわかることはプロの作家の文章は全て意図があって書かれているということです。

 そして写本とはそれを見抜いていく作業、客観的に分析していく作業だといえます。

 また自分が小説を書くときにその意図を参考にして書くことで文章力や構成力が上がることに気付きました。

 つまり自分の作品を書くときは、常に意図を持って書く必要があることがわかりました。

 これが私が写本を通して気付いた点でした。

まとめ

○写本にはパソコンに打ち込む方法と、原稿用紙に鉛筆で写す方法がある。

○小説の構成や文章の特徴を分析するには、パソコンに打ち込む方法が合っていて、文章を体で覚えるなら原稿用紙を使う方法が合っている。

○写本をすることで身に付くことは、

1,作文のルールがわかる

2, 小説の構成のテクニックがわかる

3,文章のテクニックに気づき、身に付く

○写本は五冊以上するといい。

○写本することで作者の意図に気づいていける。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Comment

  1. さえ より:

    いい勉強になりました

  2. 浅岡家山 より:

    >さえさん

    コメントありがとうございます。

    読んでいただき、お役に立ててよかったです。私も反響がわかり嬉しいですよ。
    写本は、分析する眼が養われるのでぜひ身に付けて下さい。
    きっと物語の構成力や文章力などの向上にいいと思いますよ。

    さえさんは小説家志望であったり物語制作に興味があったりするのでしょうか。
    このブログを見るということはきっとそういう感じなのでしょうね。
    もしよかったら他の記事もお読み下さい。きっとお役に立つと思いますので、よかったらどうぞ。
    またいつでもブログに遊びに、コメントをしに来て下さい。
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