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電子書籍『ストーリーの作り方 物語を作るための基礎の基礎 その2 ストーリーを作るための王道の解説集』

 
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 私はKindle作家の浅岡家山といいます!  このブログでは『やさしさ』や『物語技法』『Kindle本』などの皆様に役立つ知恵を、色々な形で発信していきます。
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このブログ記事では電子書籍『ストーリーの作り方』の内容について解説します。

この電子書籍は王道のストーリーについて解説した本です。

王道のストーリーを知ることで、ストーリーの型がわかります。そして工夫をすることで自分なりのストーリーを作ることができます。

ぜひ『ストーリーの作り方』を物語作りの参考にして下さい。

以下にこの電子書籍のサンプルを載せますのでお読みください。

 

目次

『ストーリーの作り方 物語を作るための基礎の基礎 その2 ストーリーを作るための王道の解説集』
                     

 浅岡家山

 

著作権は作者である浅岡家山に帰属しています。
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信することを禁じます。 また、本作品の内容を無断で改変、改ざん等を行なうことや本作品を転売することを固く禁じます。

 この本は拙著『オリジナリティのある物語の作り方』の一巻から四巻までの電子書籍を編集してまとめた本です。

はじめに

この本の対象読者

この本は以下の対象読者に向けて綴られています。

○ストーリーを作るのにどうしたらいいか悩んでいる人。
○王道のストーリーについて知りたい人。

この本を書く動機

 この本は『ストーリーの作り方 物語を作るための基礎の基礎 その2』の本です。今作は王道のストーリーの解説をしています。
 
この本では王道のストーリーを十七本、解説しています。王道というのは古今東西の物語のなかにある原型のことです。世の中には様々な物語がありますが、世界観やキャラクターの違いがあるだけで、中心となるストーリーは同じものです。
 
例えばミステリーの王道は殺人事件が起きて探偵が出てきてトリックを解明して犯人を突き止めて逮捕するというところです。後は世界観やキャラクターが違うことで、ミステリーの流れは同じです。

 そういう物語の原型を調べていくと十七の原型が見つかりました。この十七の原型は物語の基本であり王道です。この十七の原型については『シナリオ作法入門』を参考にしています。この本では王道の十七の原型、つまり十七のストーリーを解説し、その作り方を紹介しています。この作品を参考にしながらストーリーを作って下さい。

 この電子書籍が皆様の益になりましたら幸いです。

 2021年 8月 20日 浅岡家山

電子書籍『ストーリーの作り方』の目次


はじめに
この本の対象読者この本を書く動機

十七の王道のストーリーのおおまかな解説とリンク


★一,王道『報復型』★
この物語の作り方 『報復型』を作る四つの事柄について
王道:一,羨まれるを決める
○羨まれるもの一覧
王道:二,傷つけられるを決める
○傷つけられる方法の一覧
王道:三,報復の仕方を決める
○報復の仕方の一覧
王道:四,癒やされるを決める
三幕構成で『報復型』を解説する
王道:第一幕:順風満帆から絶望へ
王道:第二幕前半:敵の周りの人たちから信頼されることで敵と親しくなる。
王道:第二幕後半:報復を実行する。
王道:第三幕:報復を終えて愛を見つける


★二,王道『集合型』★
○この物語の作り方 『集合型』を作る六つの事柄について
王道:一,弱者を決める
○弱者の特徴
王道:二,悪者を決める
○悪者の特徴
王道:三,正義者を決める
○正義者の特徴
王道:四,一緒に戦ってくれる正義者を集める
○「正義者との出会い」で起きる事件の具体例
○「正義者たちを集めていく」で集まってくる正義者のタイプ
王道:五,戦闘の準備をする
○戦闘の準備をするの具体例
王道:六,戦う
○戦うの具体例
三幕構成で『集合型』を解説する
王道:第一幕:災難の予兆から力になってくれる人を探す
王道:第二幕前半:戦いの準備をする
王道:第二幕後半:初めての戦闘と報酬
王道:第三幕:最後の戦いで悪者を倒す


★三,王道『成金型』★
○この物語の作り方 『成金型』を作る六つの事柄について
王道:一,貧しい生まれを決める。
○貧しい生まれの具体例
王道:二,人から好かれる愛嬌を決める。
○愛嬌の具体例
王道:三,才能や特技を決める。
○才能や特技の具体例
王道:四,野心や野望を決める。
○野心や野望の一覧
王道:五,自分の生き方を相談できる人を決める。
○「自分の生き方を相談できる人」の一覧
王道:六,陰陽で人間的な器を大きくするを決める。
○「陰で起きること」の一覧
○「陽で起きること」の一覧
三幕構成で『成金型』を解説する
王道:第一幕:勝って負けて学ぶ
王道:第二幕前半:勝ち、また負ける
王道:第二幕後半:他の仕事で癒やされる
王道:第三幕 勝つ


★四、王道『旅行型』★
この物語の作り方 『旅行型』を作る四つの事柄について
王道:一、才能を間違った方向に使うを決める。
○才能の一覧
王道:二、目的を決めて旅に出るを決める
○主人公の目的と罪滅ぼしの具体例
王道:三、目的に合わせて試練を乗り越えて成長するを決める。
○困っていることの具体例
王道:四、目的を叶えるを決める。
○目的を叶えた具体例
三幕構成で『旅行型』を解説する
王道:第一幕:恵まれた才能で悪行をして罰を受ける
王道:第二幕前半:目的を持って旅に出る
王道:第二幕後半:弟子を取る
王道:第三幕:旅の目的を叶え、罪滅ぼしを終える


★五、王道『逃走型』★
この物語の作り方 『逃走型』を作る四つの事柄について
王道:一,逃走をする人を決める
王道:二,逃走をする理由を決める。
王道:三、逃走しながら追い詰められてハラハラドキドキするストーリーを決める。
○ハラハラドキドキするストーリーの具体例
王道:四、逃走の果ての結末を決める。
三幕構成で『逃走型』を解説する
王道:第一幕:逃走を開始する。
王道:第二幕前半:絶体絶命のピンチに遭う
王道:第二幕後半:真犯人と対面する、または人質や囚人と別れる。
王道:第三幕:捕まる


★六、王道『股旅型』★
この物語の作り方 『股旅型』を作る四つの事柄について
王道:一、主人公の特技を決める。
○武道の特技の一覧
王道:二、世話をする人を決める。
王道:三、一宿一飯の恩や義理人情から行動する。
王道:四、戦いの後を決める。
三幕構成で『股旅型』を解説する
王道:第一幕:世話になる場所へたどり着く
王道:第二幕前半:仲間になる
王道:第二幕後半:犠牲者が出る
王道:第三幕:戦う


★七、王道『約束型』★
この物語の作り方 『約束型』を作る四つの事柄について
王道:一、約束をする。
○約束をする相手の一覧
王道:二、幸せになる約束と不幸せになる約束がある。
○幸せになる約束の一覧
○不幸せになる約束の一覧
王道:三、幸せになる約束をやぶることでひどい目に遭う。
○幸せになる約束を破るとどんな不幸せになるかの具体例
王道:四、不幸せになる約束を解消し、幸せになる約束を成就する。
三幕構成で『約束型』を解説する
王道:第一幕:出会って約束をする。
王道:第二幕前半:結婚生活の危機が訪れる。
王道:第二幕後半:結婚生活から逃げ出す
王道:第三幕:不幸せな約束を解消し幸せな約束を果たす。


★八、王道『変身型』★
この物語の作り方 『変身型』を作る四つの事柄について
王道:一、正体・身分を決める。
○主人公の特殊な身分の一覧
王道:二、正体を隠して庶民と交流する
○庶民と交流する一覧
王道:三、敵と戦って抑圧を解消する。
王道:四、正体を明かす。
三幕構成で『変身型』を解説する
王道:第一幕:欲求不満が爆発する
王道:第二幕前半:羽目を外して楽しむ。
王道:第二幕後半:本当にしたいことをする。
王道:第三幕:自分の身分を自覚をする。


★九、王道『特技型』★
この物語を作る事柄『特技型』を作る四つの事柄について
王道:一、主人公は荒削りだが特技や才能がある
○特技のスポーツの一覧
○才能の一覧
王道:二、主人公は欲と純粋を持っている。
王道:三、主人公は必殺技や名言がある。
王道:四、主人公は最終的には勝つか引き分けて負けることがない。
○時間の枷について
○場所の枷について
○心理の枷について
三幕構成で『特技型』を解説する
王道:第一幕:才能の片鱗を見せる
王道:第二幕前半:新たな困難に直面する。
王道:第二幕後半:さらに困難な目に遭う
王道:第三幕:イップスを乗り越えて勝つ


★十、王道『スポ根型』★
この物語を作る事柄 『スポ根型』を作る四つの事柄について
王道:一、敵が現れて争いに巻き込まれる。
○主人公が敵に批判されて争いに巻き込まれるきっかけ一覧
○主人公を操ろうとして争いに巻き込む一覧
○その他の行動で主人公を争いに巻き込む一覧
敵から目の敵にされる理由一覧
○敵が持っていないものを主人公が持っているので嫉妬している。
○敵が不遇な状態にいて嫉妬の延長で主人公に逆恨みをする
○その他
王道:二、主人公は必殺技を見つける。
王道:三、一難去ってまた一難
○主人公が襲われる具体例
○主人公が襲われる病気の一覧
○主人公が襲われる災害の具体例
○主人公が襲われる人間関係の困難の具体例
○主人公が犯罪に遭う具体例
王道:四、気合と根性で乗り越える。
○気合と根性のある人の行動や心構え一覧
三幕構成で『スポ根型』を解説する
王道:第一幕:敵に偵察されて巻き込まれて情緒不安定になる
王道:第二幕前半:敵が現れる
王道:第二幕後半:気合と根性で勝つ
王道:第三幕:敵とのわだかまりが解けて和解する


★十一、王道『家族型』★
この物語を作る事柄『家族型』を作る四つの事柄について
王道:一、家族は共同体。
王道:二、父性と母性。
○父性の特徴一覧
○母性の特徴一覧
王道:三、家族を襲うトラブルが起きる。
○トラブルの一覧 舵取りをしていた人物が被害を受けることで家族が不安定になる
王道:四、主人公は両親と同じ生き方をする。
○認められたことを示す行動やシンボル一覧
三幕構成で『家族型』を解説する
王道:第一幕:支柱が倒れる
王道:第二幕前半:宣言をする
王道:第二幕後半:移行する
王道:第三幕:蛙の子は蛙


★十二、王道『悲劇型』★
この物語の作り方 『悲劇型』を作る四つの事柄について
王道:一、悪者がいる。
○欲望の種類 犯罪をする動機について
○犯罪の種類
○被害者の一覧
王道:二、苦しむ人がいる。
○真実を知るきっかけ一覧
王道:三、巻き込まれる人がいる。
○巻き込まれる人の一覧
王道:四、悲劇が悲劇を生む
○殺害するための凶器一覧
三幕構成で『悲劇型』を解説する
王道:第一幕:真実を知って苦しむ
王道:第二幕前半:悪者が苦しむ
王道:第二幕後半:過ちを犯す
王道:第三幕:誰もいなくなる


★十三、王道『純愛型』★
この物語の作り方 『純愛型』を作る四つの事柄について
王道:一、両思いになる。
王道:二、大きな障害がある
○大きな障害の一覧
王道:三、完全に別れる
○完全に別れるの一覧
王道:四、別れてもなお相手を想う
○別れてもなお相手を想うの一覧
三幕構成で『純愛型』を解説する
王道:第一幕:恋愛が成就する
王道:第二幕前半:引き離される二人
王道:第二幕後半:完全に別れる
王道:第三幕:亡くなる


★十四、王道『困難型』★
この物語の作り方『困難型』を作る四つの事柄について
王道:一、主人公は恋をしている。
○恋する人物のとる行動一覧
王道:二、主人公は二択で悩む。
○どちらを選ぶか、二択の一覧
王道:三、主人公は追い詰められる。
○困難の一覧
王道:四、主人公は心中してしまう。
三幕構成で『困難型』を解説する
王道:第一幕:二択を迫られる
王道:第二幕前半:好きな人が災難に遭っている
王道:第二幕後半:心中することを決める
王道:第三幕:心中する


★十五、王道『自己犠牲型』★
この物語の作り方『自己犠牲型』を作る四つの事柄について
王道:一、主人公は病気になる
○病気の一覧
王道:二、主人公は他人から支援される
○支援の一覧
王道:三、主人公は猛烈に働く
○猛烈に働くことの一覧
王道:四、主人公は最後まで自己犠牲をしながら亡くなる
三幕構成で『自己犠牲型』を解説する
王道:第一幕:皆から傷つけられ助けられる
王道:第二幕前半:語学が役に立つ
王道:第二幕後半:猛烈に働く
王道:第三幕:殉職する


★十六、王道『隠し事型』★
この物語の作り方『隠し事型』を作る四つの事柄について
王道:一、主人公たちは隠し事がある。
○隠し事の一覧
王道:二、主人公たちは歪んだ関係を持っている
○歪みの一覧
王道:三、主人公たちは隠し事のために無意識に異常な行動をする
○異常な行動の一覧
王道:四、主人公たちの隠し事が表面化して改善される
三幕構成で『隠し事型』を解説する
王道:第一幕:隠し事がある
王道:第二幕前半:真実を知って冷たくなる
王道:第二幕後半:隠し事が表面化する
王道:第三幕:自殺未遂をする


★十七、王道『謎型』★
この物語の作り方『謎型』を作る四つの事柄について
王道:一、登場人物たちの集団は協力せずバラバラである
○謎の出来事一覧
王道:二、登場人物たちは謎の出来事を解明することで心の内がわかる
○謎についての理由の一覧
王道:三、問題が大きくなりバラバラだった集団が一つになる
○緊急事態の一覧
王道:四、問題が解決する
三幕構成で『謎型』を解説する
王道:第一幕:バラバラな人たち
王道:第二幕前半:大きなトラブルの前兆
王道:第二幕後半:大きなトラブルが起きる
王道:第三幕:それぞれの問題が解決する
サブストーリーの作り方
終わりに
参考文献
○おくづけ

以下に本書の一部を載せています。

★一,王道『報復型』★

 

『報復型』とは報復をメインとした物語です。

 主人公は恵まれた才能や高い地位があり、順風満帆な生活をしています。

 愛する家族や恋人、友人に恵まれていたり自分の才能を発揮できる仕事や、誇りを持って行っている仕事があったりして幸福な人生を送っています。

 

 そんな主人公を嫉妬する人たちがいます。彼ら、敵たちは主人公がいるために自分の立場が脅かされていたり、仕事を失うのではないかと不安や怒りを感じていたりして主人公を疎ましく思っています。

 

 そして昇進が確実となり主人公がさらに幸福な人生を送るようになるのがわかると敵たちは策略を練って主人公に有りもしない濡れ衣を着せたり、犯罪行為を行ったりして主人公の幸福を奪います。

 

 濡れ衣を着せられた場合、主人公はわけのわからぬまま警察に捕まり牢に入れられます。主人公は当然、無罪を訴えるのですが敵の策略によって状況はどんどん悪くなり、ついに犯罪者として刑務所に入れられます。何度もあらがおうとするのですが警察や刑務官たちから相手にされずどうすることもできません。

 

 犯罪行為を受けた場合、主人公は敵から傷つけられ恋人や家族など大切なものを失い絶望感に苛まれます。 

 

 こうして主人公は幸福が自分の手からこぼれ落ちてしまったことを実感して絶望をします。そして次第に精神的な病に陥りそうになります。

 

 そんな時、主人公に手を差し伸べる支援者が現れます。支援者は主人公に勇気を与え、学を与え、主人公が何故、こんな目にあったのかを解明します。そしていつか刑務所から出た後、主人公が生きていくための知識や技術、金銭などを与えます。

 

 主人公は刑務所を出た後、真の敵たちは誰かを知り、報復を誓います。

 

 主人公は支援者から与えられた知識などを活用して密かに敵たちに近づきあらゆる手段を使って敵たちを罠にはめ、かつて自分が受けた絶望感を与えます。敵たちは自殺したり病に陥って死んだりします。

 

 主人公は敵たちを倒しながら敵の周囲の人たち、敵の家族や友人たちも自分の報復のために不幸になるのを知り、やりすぎだと感じます。そして報復をしても虚しいだけであると感じます。

 

 主人公は最期の敵を罠にはめ、苦しめた後、その敵を許容して解放します。

 

 主人公は報復という呪縛から解放され新しい人生の第一歩を踏み出して物語は終わります。

 

 これが『報復型』のおおまかな説明です。

 

この物語の作り方 『報復型』を作る四つの事柄について

 

 この物語を作る場合、以下の四つの事柄を決めましょう。

 

 一,羨まれる(うらやまれる)

 二,傷つけられる

 三,報復をする

 四,癒やされる

 

 一つ一つ解説していきます。

 

 王道:一,羨まれるを決める

 

 羨まれるとは一般的に、持っている者が持っていない者から嫉妬されることです。

 例えば、お金(年収)、才能、権力、資格、恋人、妻や夫、健康、何らかの賞や実績、学歴などを持っている人に対する嫉妬のことです。

 

 自分にないものを他人が持っていることを知ると羨む心が沸いてきます。

 なので主人公にこれらを持たせて、敵に羨む心を沸かせるようにしましょう。

 

 ではここからは実際に作ってみましょう。

 

 まず主人公と敵はどういう関係なのかを決めます。例えば同じ職場で働く同僚なのか、同じ学校にいる同級生なのか、親族なのか、恋敵なのか、スポーツのライバルなど。

 

 ここでは例として同じ職場で働く同僚として、同じ法律事務所で働いている同僚とします。

 次に主人公が何を持っているか、敵は何を持っていないかを決めましょう。特に敵が欲しくてしかたがないものを主人公が持っていると嫉妬心が沸きやすいです。

 

 最初に提示したものから想像してみて下さい(お金(年収)、才能、権力、資格、恋人、妻や夫、健康、何らかの賞や実績、学歴など)

 

 例えば主人公は難易度の高い資格を持っていて、年収が高いとか。敵が恋をしている異性が主人公の恋人であるとか。

 

 法律事務所の同僚の例であれば、主人公は弁護士の資格を持ち、敵である同僚はまだ司法試験に合格できず、主人公のお使いのような仕事をさせられているとか。

 

 さらに持っているものは一つではなく、複数を持たせるのがいいでしょう。主人公が持っているものを増やしましょう

 

 例えば主人公は父親から受け継いだ財産があり働かなくても食べていけるお金があり、元モデルの美しい妻がいて、趣味でしている仕事で賞を取っていたとか。こんな感じで、持っている物が多ければ多いほど嫉妬心を沸かせます。

 

 法律事務所の同僚の例であれば、主人公には美しい恋人がいて、敵はその異性に恋心を持っているか、叶わずに苦しんでいるとか。

 

 また、敵と直接、関係あるものを増やすのも良いでしょう。たとえば出世したことで敵の上司になったとか、主人公が発案した新しい商品が売れて、同業者の敵のものが売れなくなったとか。

 

 法律事務所の同僚の例であれば、主人公は出世をして今の法律事務所の代表になるとします。主人公は敵が仕事で不正をしていることに気付いていて、代表になった暁には敵を解雇しようと考えているとか。

 

 敵から見れば主人公は自分が欲している資格を持ち、自分が好意を持っている異性の恋人であり、さらに自分を解雇しようとしている憎い人物となります。嫉妬心が沸き立つでしょう。それは次の二で示される主人公が傷つけられるにつながります。

 

では羨まれるものの一覧を載せます。作品を作る際の参考にして下さい。

 

 ○羨まれるもの一覧

 

お金(年収)や財産

才能や特技

権力や地位

資格

恋人

妻や夫

健康

何らかの賞や実績や名誉や名声

学歴

容姿

家柄やコネ

金品

人脈

特許

 

 王道:二,傷つけられるを決める

 

 傷つけられるというのは色々な形で反社会的行為を受けることです。

 敵は主人公に嫉妬をし、何らかの傷を負わせたり、奪ったりすることで自分の利を得ようとします。

 例えば会社で主人公からパワハラを受けたと嘘の被害を上司に訴えて、主人公に罪を負わせるとか。そうすることで、主人公を左遷させて自分の地位を守るわけです。

 

 傷つける方法としては名誉毀損、殺人、暴行、詐欺、強盗、器物損壊、強姦や姦通、誘拐や監禁、脅迫、冤罪などがあります。

 

 ここでは傷つける方法の一覧を一つ一つ紹介していきます。

 

 一,名誉毀損:名誉毀損は主人公にとってありもしないひどい噂や言動によって損害を与えることです。主人公の評価が悪くなることを言いふらして主人公の評判を落とします。

 

 二,殺人:人を殺すことです。主人公の親しい人や恋人などを殺したり、主人公を殺そうとしたりします。

 

 三,暴行:相手に危害を加えることです。主人公の親しい人に危害を加えたり、主人公に危害を加えたりします。

 

 四,詐欺:ないものをあるといって信じ込ませて不利益を与えることです。例えば嘘の投資話を持ちかけてお金を巻き上げるとか。

 

 五,強盗:主人公の金品などを強奪することです。主人公の持ち物を強奪すれば主人公を苦しめますし、主人公が大切にしているものを強盗すればより主人公を苦しめます。

 

 六,器物損壊:主人公の持っているものを破壊して損害を与えることです。主人公が大切にしているものを壊すことで主人公を苦しめます。

 

 七,強姦や姦通:主人公や主人公の親しい人を犯したり、不倫などをしたりして主人公たちに損害を与えます。

 

 八,誘拐や監禁:主人公や主人公の親しい人を誘拐したり監禁して自由を奪ったり、身代金を要求して損害を与えたりすることです。

 

 九,脅迫:主人公や主人公の親しい人を脅して損害を与えることです。脅迫することで主人公の行動を邪魔したり、思い通り動かしたりします。

 

十、冤罪:主人公や主人公の親しい人にありもしない罪を着せることです。濡れ衣を着せられることです。

 

 では実際に作ってみましょう。

 

 例えば法律事務所の例で言えば、主人公の恋人を誘拐して強姦し、相手の尊厳を傷つけるというのもいいでしょう。

 

 この傷つけるをさらに強くするためには前振りとして幸運の中で傷つけられるというのがいいでしょう。

 

 例えば法律事務所の例で言えば、主人公は恋人と結婚式を挙げて幸せな気持ちになっているときに、敵から、恋人が強姦された過去があることを伝えられ、幸せから一転、不幸のどん底に落とすとか。

 

 また不幸は何度も続くといいでしょう。

 

 例えば恋人が強姦され暴露されたためにそれを苦にして恋人が自殺をし、敵は強姦をしたのは主人公の父親だと偽証をし、それが認められて父親が捕まり、父親も自殺するとか。そして主人公は強姦した父親の息子だからと法律事務所を解雇されて露頭に迷います。

 

 その後、敵は司法試験に合格し法律事務所で出世をします。主人公は恋人と父親と誇りを持っていた自分の仕事を奪われたことに強い怒りや憤りを持ちます。それは三の報復につながります。

 

 傷つけられる方法の一覧を載せておきます。作品作りの発想に使って下さい。

 

○傷つけられる方法の一覧

 

名誉毀損

殺人

暴行

詐欺

強盗

器物損壊

強姦や姦通

誘拐

監禁

脅迫

冤罪

 

 王道:三,報復の仕方を決める

 

  主人公は敵から傷つけられました。愛しい人を失ったかもしれませんし、お金をなくしたり、名誉を傷つけられたりしたかもしれません。その不幸の中、絶望を感じ、自分を貶めた敵に対してやりかえそう、報復をしようと誓います。

 

  主人公のする報復の方法としては「二、傷つけられる」と同じです。つまり名誉毀損、殺人、暴行、詐欺、強盗、器物損壊、強姦や姦通、誘拐や監禁、脅迫、冤罪などです。これらを実行することで、報復をします。

 

  この報復の度合いは主人公が敵から受けた絶望や苦しみと同じぐらいの絶望や苦しみを与えるぐらいがいいでしょう。目には目を歯には歯をということです。

 

  では実際に決めていきましょう。

 

  主人公は敵の身辺を洗い、冷静に相手の弱点を見つけます。相手を不利にさせるような過去や失敗などがないかを調べます。

 

  例えば不倫をした過去があったり、投資で失敗した過去があったりするかもしれません。浮気性で次から次に恋愛対象を変えることがあるかもしれませんし、自分の気に入らない人を独断で解雇するなどの不法行為があるかもしれません。そこが相手の弱点です。つまり大きな失敗や反社会行為が敵の弱点となります。

 

 例えば不倫をした過去があればその証拠を手に入れます。また投資で失敗した過去があるなら、投資について苦手意識を持つか、または再起を考えているかもしれません。そこを利用して絶対に損にならない手堅い投資や投資の極秘情報を、他人を介して伝えて、一時、お金を儲けさせます。そして敵が気分良くなった頃合いを見て、偽の投資情報を与えてより多くのお金を出させます。そして、大損を食らわせるのです。敵は真っ青になり、さらに敵を追い詰めて損失を穴埋めするために法律事務所のお金を補填に使わせるのです。

 

 そしてもっとも相手が輝く場所、例えば法律事務所の例でいえば敵が事務所の代表になったお祝いのパーティーで、集まった皆の前で不倫の過去を暴露し、青くなった敵に対して、さらに投資で大損をして法律事務所のお金を使い込んだことを暴露します。敵が逃げだそうとするのを押さえつけ、皆の前で横領を認めさせるのです。そして敵は代表という地位から転げ落ち、犯罪者となって絶望を味わいます。姦通行為の暴露と横領の暴露で報復をしたことになります。

 

 報復の仕方の一覧を載せておきます。作品作りの参考にして下さい。

 

 ○報復の仕方の一覧

 

名誉毀損

殺人

暴行

詐欺

強盗

器物損壊

強姦や姦通

誘拐や監禁

脅迫

冤罪

 

 王道:四,癒やされるを決める

 

  癒やされるというのは自分を癒やすということです。

 

  主人公は敵を罠にかけ絶望の淵に落としました。でもそれは主人公にとって幸福ではありません。自分の苦しみを敵に味わわせたかもしれませんが、何も良いことはないのです。

 

  主人公は傷つけられ敵に対する憎悪に駆り立てられて報復をしました。それは過去の苦しみに捕らわれていることを意味します。過去に縛られ、未来に向かっていません。将来について考えられないのです。そして気付きます。自分を許容することで過去を受け入れ、もう済んだことだと納得し未来に進めると。

 

 そのためにはもうこれ以上は主人公が望まないところまで敵を苦しめたら敵を許容するのです。すると苦しんだ自分を許容することになります。もう気が晴れて苦しみや憎しみが消えたのです。

 

 報復は完成されました。そして自分を許容したことで過去の呪縛から解放されました。後は、未来に向かって進むだけです。そんなとき主人公を受け入れてくれる人が現れ、恋愛や家族愛などの愛情を感じて前向きになり新しい一歩を踏み出します。そして報復の物語は終わります。

 

 では実際に作ってみましょう。

 

 主人公はどんな苦しみを受けたのでしょうか。例えば法律事務所の例で言えば、恋人が強姦され恋人はそれを暴露されて自殺し、父親も濡れ衣を着せられて苦にして自殺しました。主人公は大切な人たちを失い、法律事務所も解雇されました。大きな苦しみや絶望を味わいました。そして報復してそれと同じぐらいの苦しみや絶望感を敵に味わわせます。

 

 主人公は許せないと思いながら、敵の苦しむ姿を眺めます。敵は死にたくなるぐらいの苦しみを受けます。すると主人公は敵を苦しめても自分は癒やされないのを感じます。敵に自分が受けた苦しみや絶望感を与えていくうちに、これ以上の苦しみを与える必要はない、自分はそこまで望まないと思うのです。人間らしい、苦しんでいる人を助けようとする善の気持ちが沸いてくるのです。自分の過去の苦しみが消えていくのを感じます。もう自分の心が過去の悲劇に苦しまないことを感じます。そんなとき主人公は敵を許容する決断をします。敵を許容することで自分を許容したのです。主人公は敵を解放し、報復は終わりました。

 

 主人公は自分はこれからどうしたらいいか悩むでしょう。そんなときに周りの支援者たちが主人公に愛情を示してくれるかもしれません。または主人公の過去を知り、寄り添ってくれるかもしれません。主人公は愛情のある人たちに囲まれて未来に向けて足を一歩前に進めて物語は終わります。

 

三幕構成で『報復型』を解説する

 

 『報復型』をさらに細かく知るために構成の基本である三幕構成を用いて物語を解説していきます。物語の作り方と重複する部分がありますが、それだけ重要な部分ですので、理解して下さい。また『報復型』の作品を作る場合の参考にして下さい。

 

王道:第一幕:順風満帆から絶望へ

 

 『報復型』の物語の冒頭では主人公は人生を楽しんでいます。才能を発揮できる仕事を持ち、仕事仲間や上司から信頼され、美しい恋人や愛すべき家族がいます。

 

 冒頭ではそういう生活を見せつつ、それを羨んでいる人たち(敵たち)も見せていきます。敵たちは主人公の持っているものを羨んでいて、それを得ようと行動します。

 

 例えば上司に取り入り、こういう仕事がしたい、任せて貰いたいと伝えるのですが、上司から既にその仕事や地位は主人公に任せることが決まっていると言われてますます主人公を妬むようになります。他にも恋心を持ち、ある異性を口説くのですがその異性は主人公を愛していて、いつか夫婦になる約束をしていると言って断られます。

 

 こうして敵たちは主人公に強烈な嫉妬心を持ち、憎しみを覚えていよいよ貶める作戦を考えます。例えば濡れ衣を着せたり、殺し屋やヤクザに頼んで危害を加えたりすることを計画します。そして計画は実行されます。

 

 主人公は幸せの絶頂の時、例えば上司から自分の出世の通達を受けたり、恋人と甘い時を過ごしたりして幸せな時に敵から攻撃を受けます。濡れ衣を着せられたなら警察が来て連行され、危害を受けたなら病院へ連れて行かれます。

 

 濡れ衣を着せられた場合、主人公は自分の正しさを知っているので堂々としているのですが、自分の行動に疑われるところがあり、また敵が手を回していて不当な裁判が行われ、罪人となります。

 

 危害を受けた場合は敵を告発しようとするのですが、敵が手を回していて罪を問えず、敵を捕まえることができません。逆に自分が罪を着せられて捕まります。

 

 主人公は刑務所に入り、絶望をして自殺を考えたり精神的な病になりそうになったりします。そんなとき支援をしてくれる人と出会います。支援者は主人公と同じような境遇で幸せを他人から奪われた者です。

 

 主人公と支援者は少しずつ打ち解け合い親しくなります。主人公は自分の身に起きた出来事を支援者に話します。するとどうしてこんなことになったのかを支援者が解明してくれます。そして主人公は真の敵は誰かがわかり、報復心を持つようになります。

 

 主人公は支援者と交流するうちに外の世界で食べていく技術や知識を学びます。そしてお互いを信頼できるようになると支援者は老い先が短いのを感じていたので、主人公のために外の社会にある自分の隠し財産について話します。そのお金が主人公の報復していくための資金になります。

 

 主人公は刑務所から脱獄します。例えば輸送車で主人公たちを他の刑務所へ移送中に刑務官が居眠り運転をして列車とぶつかる事故を起こし、その隙に主人公は逃げ出します。刑務官たちは自分たちのミスを隠すために囚人は全員死んだと伝えて警察から追われる心配がなくなり主人公は自由の身になります。

 

 主人公は逃亡しながら支援者が教えてくれた隠し財産を手に入れ、いよいよ報復の旅に出ます。

 

 主人公は刑務所での長い苦しみから人相が変わっていたり、顔の整形手術を受けたりして顔が変わり、故郷に帰っても誰も主人公だと気付きません。主人公は当時の知り合いに会い、自分は探偵とか記者だと偽り、報酬を出すから話を聞かせてくれと頼みます。そして自分に濡れ衣を着せた敵たちや自分の恋人、家族の現在を知ります。敵たちが成功者になっていたり、主人公の元恋人にストーカーして元恋人を自殺に追い込んだりしたことを知ります。そして最後に敵たちがどうやって自分を貶めたのかを知ります。

 

王道:第二幕前半:敵の周りの人たちから信頼されることで敵と親しくなる。

 

 主人公は敵たちの現在を知ると、まず敵たちの知り合いや家族、親族と仲良くなるようにします。敵たちがどういう弱点があるのか、どういう目に遭えば報復ができるのかを調べるためです。

 

 例えば敵の妻が行きたがっていたクルーズ船のチケットを譲ったり、ヤンキーに金を払い、わざと危険な目に遭わせて偶然を装って助けたりするとか。そうやって恩を売ることで敵たちの家族たちと仲良くなったり、信頼されるようになったりします。そして敵たちの家族と仲良くなることで自然と敵たちと交流を持つことができ、そこから弱点を探るのです。

 

 主人公は敵たちと対面し、次第に信用されるようになり一緒に酒を飲みながら敵たちは過去の話や世間で起きた事件の真相を口走ります。主人公はそれを聞きながらどうやって罠にはめるか考えます。

 

 例えば投資として独自の株の買い方を自慢してきたら、それを興味があるのを装って聞き、そのやり方でどうやったら大損を食らわすことができるか考えます。または敵たちが話す過去の武勇伝から違法行為を知り、どうやって告発するといいかを考えます。そうやって敵たちを罠にはめる段取りをしていきます。

 

王道:第二幕後半:報復を実行する。

 

 主人公は敵を調べ尽くし念入りに計画を立て、報復を始めます。例えば敵の過去の違法行為を町中の噂好きの主婦たちに流して騒ぎを起こし敵を議会に喚問させて違法行為を認めさせ敵の評判を落とします。

 

 敵は主婦たちに情報を流した主人公を突き止め、主人公に詰め寄るかもしれません。そんな時、主人公は自分の正体を明かして敵は驚き震えます。敵は過去に自分のした業が自分に向かってきた事を知り、人間の持つ恨みの力に恐れ震えます。主人公の悪意に恐怖するのです。

 

 報復により敵たちは大切にしていたものを失います。

敵たちは過去に主人公が持っていたものを奪いました。それらはお金(年収)、才能、権力、資格、恋人、妻や夫、健康、何らかの賞や実績、学歴などでした。主人公は報復をすることで敵たちからこれらを奪うのです。

 

 お金なら敵たちと親しくなって知った彼らの投資法の弱点を暴き、それに合わせて偽の投資話を流して大損を食らわせるとか。

 

 権力なら過去の悪事を暴露して民衆から糾弾されるようにするとか。

 

 愛する家族なら過去の悪事を暴露して離婚や生き別れを選択させたり、思いあまって家族が自殺したりするかもしれません。生き別れ、死に別れを体験させるのです。

 

 仕事なら悪事をばらすことで社会的信用を落とし、誰からも相手にされなくなるとか。

 

 健康なら嘘の健康法を伝えて病になるように仕向けたり、苦しみを味わわせてストレスを与えたりすることで健康を害するようにするとか。

 

 このように主人公は報復をし、主人公が受けた絶望感と同じだけの絶望を敵たちに味わわせるのです。

 

 報復する方法は名誉毀損、殺人、暴行、詐欺、強盗、器物損壊、強姦や姦通、誘拐や監禁、脅迫、冤罪などがいいでしょう。敵たちに絶望を味わわせるためなら手段を選びません。それが報復です。

 

 ただ、主人公は敵たちを苦しめていくうちに敵たちにつながりのある人たちも苦しむことに気付きます。例えば敵の妻であったり、息子であったりします。親のしたことで子が苦しむ姿を見て心を痛めるのです。

 

王道:第三幕:報復を終えて愛を見つける

 

 主人公は敵に報復しますがそれにより敵とつながりのある人が傷つくことを知ります。そしてむなしさも感じます。敵から受けた過去の苦しみと同じ量の苦しみを与えるだけで何も良いことはないのです。しかし過去の苦しみから報復する悪意に突き動かされます。

 

 主人公は最後の敵を罠にはめ、苦しみを味わわせます。そして発狂乱になって苦しむ敵に向かって自分の正体を明かして悔い改めるかと問います。敵は死にたくなるぐらいの苦しみを受け、なりふりかまわず懺悔します。その姿を見て苦しめるのを止め、主人公は最後の敵を許容します。報復を終えたのです。

 

 自分を突き動かした怒りや悪意を手放し、敵を許容することで自分を許容しました。

 

 その後、主人公は自殺を考えるかもしれません。報復が終わり、もう何もしたいことがないのです。

 

 そんな時、主人公を愛してくれる人たちが集まってきます。そして気付くのです。自分には愛する人たちがいることを。

 

 敵たちは自分の利己的な心のために主人公を罠にはめました。人を愛する気持ちがあるならしないことです。

主人公は過去に愛すべきものがありました。愛する恋人や誇りとしていた仕事など。しかしそれらは奪われました。でも主人公は人を愛する力を今も持っているのです。それが敵たちとの大きな違いでした。

 

 人を押しのけてでも幸せになろうとした敵は全てを失いました。そんな悪意に振り回された主人公には愛が残っていました。そして今からでも愛情のある人生を送ることは可能だと気付きました。

 

 主人公はこれからの愛すべき人たちとの新しい人生を考えながら新しい一歩を踏み出して、この物語は終わります。

 

★二,王道『集合型』★

 

 『集合型』は勧善懲悪ものの物語です。町に弱者たちがいて、そして時々、町に来ては弱者たちから食料や金品を奪う悪者たちがいます。弱者たちは悪者たちの狼藉に耐えられなくなり皆で話し合い、悪者たちに対抗できる人をスカウトすることにします。

 

 弱者たちは大きな街に行き、対抗できそうな人を見かけると事情を話して助けを乞うのですが、誰も承諾してくれません。それは賃金が安すぎるとか、危険すぎると感じて誰も相手にしないのです。

 

 そんなとき街で事件が起こり、その現場に遭遇します。そこでは一人の男が有能さを発揮して事件を解決します。それを見て、この人ならきっと力になってくれると感じて、弱者たちは助けを乞います。最初は、その男は断るのですが弱者たちの熱意や身を切るように生きている姿を見かねて承諾します。

 

 その後、その男が中心になって力を貸してくれそうな仲間を集めます。力がありそうな人を見つけると、本当に力があるかどうか試しながらスカウトしていきます。

 

 一人、二人と力を貸してくれる人が見つかり、仲間になってくれます。仲間になった者をここでは正義者と呼びます。正義者たちは一癖も二癖もある者たちで、それぞれに特徴があります。そして予定の人数の仲間が集まると弱者たちと一緒に町に帰ります。

 

 町に帰ると町に残っていた弱者たちは正義者たちを出向かえます。しかし冷たい態度を取ります。なぜなら内心、正義者たちを信用して良いのかわからず自分を守ろうとして素っ気ないそぶりをするのです。でも、一人の正義者が弱者たちを愛情を込めてからかいます。すると弱者たちも笑い出してそれがきっかけとなり、町の弱者たちは心を開き、正義者たちを受け入れます。

 

 正義者たちは弱者たちに戦うための訓練をします。そして悪者たちが容易に町に入れないようにバリケードを作り始めます。

 

 月日が経ち、町の防御が完成し、弱者たちが食料や金の蓄えが出来た頃、弱者たちは一人の悪者を捕まえます。町に金品を奪いに来ていたのです。捕まえたことを知った正義者たちは悪者を縛り上げ、悪者たちのアジトの場所を吐かせます。そして正義者たち数名でアジトを奇襲し、何人かの悪者を倒します。

 

 町に戻り皆で話し合っていると怒りに震えた悪者たちが全勢力をあげて襲ってきます。正義者たちは弱者たちと協力しながら悪者たちを一人一人倒していきます。しかし、正義者も倒されます。それでも戦い続け、最後には悪者の親玉を倒して戦いは終わりました。町に平和が訪れたのでした。

 

 これが『集合型』のおおまかな説明です。

 

 この物語を作る場合、以下の六つの事柄を決めましょう。

 

 一,弱者を決める

 二,悪者を決める

 三,正義者を決める

 四,戦ってくれる正義者を集める

 五,戦闘の準備をする

 六,戦う

 

 一つ一つ解説していきます。

 

○この物語の作り方 『集合型』を作る六つの事柄について

 

 王道:一,弱者を決める

 

 弱者とは持たざる者のことです。自分を守る力が弱く、しばしば悪者の集団から攻撃を受けます。

 

 弱者は身体的に弱いことが多く病気がちであったり、知的でないため交渉が下手でだまされやすかったりします。臆病であったり小心者であったりして新しいことや変化に弱いです。意志が弱いため嫌なことを嫌と言えず我慢してしまいます。

 

 しかし、したたかな面があり自分を守るために嘘をついたりします。基本的に真面目な努力家で、勤勉な面もあります。ただ、お人好しで強い者に従順なため悪者からいいように使われてしまう面もあります。

 

 では実際に弱者を決めてみましょう。

 

 例えば弱者は現代劇ならいじめられっ子や変わり者として表現されます。クラスの中でいつも一人でいたり、奇行をして周りから疎まれたり、陽キャラからいじめられたりします。つまり陰キャラです。暴力や他人と戦うのが苦手で、いじめられ教室の片隅でめそめそ泣いているタイプです。暴力を振るったり振るわれたりすることにトラウマがあります。

 

 また時代劇なら、小作人や貧民として表現されます。貧しさに耐えながら強い者に頭を下げ、卑屈な表情や態度を示します。ただし、強い者の見ていないところでしたたかに金を稼ぎ、隠し田を所有しているのに嘘をついて内緒にします。

 

 弱者は過去に悪者からひどい目にあっているため悪者に歯向かうとまた苦しめられるという思い込みがあります。それで、悪者に強く言うことができません。つまり自分を変えていくことができるということを忘れています。『集合』型の物語では、正義者と交流することで自分はできるんだということを実感していきます。

 

 これらの特徴で弱者を作ってみて下さい。

 

 弱者を作るポイントは、弱者は何かを恐れているということです。その恐れを具体的に作っていきましょう。他人から危害を加えられるとか、お金を取られるとか、馬鹿にされるとか。こんな目には遭いたくないと思うことを決めるといいでしょう。具体例の一覧を載せると、名誉毀損、殺人、暴行、詐欺、強盗、器物損壊、強姦や姦通、誘拐や監禁、脅迫、冤罪などです。これらを受ける人として弱者を作って下さい。

 

 ここでは例を挙げてみます。例として中学生で同級生たちの集団からいじめられている生徒とします。この生徒は同級生たちからお金を持ってこないとひどいことをするぞと脅迫を受けています。この生徒はプライドがあるため親に相談できず、自分もお金がないのでどうすることもできません。もういじめられたくないと思い、誰かに助けを求めるしかないと考え、震える心を抱えながら柔道部に入部しました。

 

 こんな感じで、ひどい目に遭っている人物として弱者を作ってみて下さい。

 

 参考までに弱者の特徴を載せておきます。作品を作る時の発想に使って下さい。

 

○弱者の特徴

 

 身体的に弱い、病気がち

知的でないため交渉が下手でだまされやすい

臆病

新しいことや変化に弱い

意志が弱い

嫌なことを嫌と言えず我慢する

お人好し

強い者に従順

悪者からいいように使われてしまう

自信がない

常に心配している

経験不足

報復を恐れる

諦めやすい

自尊心が低い

殻に閉じこもる

トラウマがある

恥をかきやすい

口数が少なく声が小さい

卑屈

 ずる賢い

 他人の顔色をうかがう

 すぐに他人に頼ろうとする

 嘘を言う

 機転を利かせてごまかす

 

 王道:二,悪者を決める

 

 悪者は奪う者です。弱者を食い物にしていて、楽をして美味しい部分を取ることが得意です。そして他人からなめられることを嫌う人です。自滅的で常に他人を攻撃します。反社会的な人ですが決断力があるため力に従順な人たちはこの人たちに従います。

 

 優しさはなく弱者に厳しく、腹黒く、残酷で自己中心的です。ただ力関係や上下関係に常に気を配っていて、強い者には礼儀正しく規律正しいです。またいじめをして相手がどこまでなら我慢するかをじっくり観察していて、自分の日常生活を楽しく過ごせる範囲を計っています。

 

 口でも手でも他人を攻撃することが得意で頭の回転が早く相手を言いくるめます。他人を貶めることが得意です。

 

 常に弱肉強食の世界で生きていて、不正や略奪を行います。他人を傷つけて生きているため敵が多く、安住することがありません。死ぬまで他人を虐げ、やり返され続けます。『集合』型の物語では、最後には弱者から過去の恨みを晴らされて滅亡します。

 

 では実際に決めてみましょう。

 

 例えば悪者は現代劇ならヤクザやヤンキー、パワハラやセクハラをする上司などで表現されます。自分よりも下の者には強く出て、自分より強い者には尻尾を振ります。いわゆる陽キャラです。真面目に勉強をすることはなく、いかにごまかすかを考えたり、自分よりも弱い者から搾取したりします。目に余るひどいことをしてもたいしたことではないと思っています。非人道的な人格をしています。

 

 また、時代劇ならかぶき者や野武士、悪代官として表現されます。弱者から奪うことを好み、気に入らない人物がいると徒党を組んで襲ったりします。権力を持っていることもあり、不正をして私腹を肥やします。

 

 また人格者である悪者もいます。主人公に正しいやり方で奪っているのです。それは警察官、検察官など主人公がした不正に対して正しいやり方で弱者を罰します。

 

 これらの特徴で悪者を作ってみて下さい。

 

 悪者を作るポイントは、何かを襲っているということです。その襲っているものを具体的に作っていきましょう。例えば同級生を虐めているとか、親から金をせびっているとか、偽メールで詐欺行為をしているとか。こんなことをしていいのか、と思うようなひどいことをさせるといいでしょう。具体例の一覧を載せると、名誉毀損、殺人、暴行、詐欺、強盗、器物損壊、強姦や姦通、誘拐や監禁、脅迫、冤罪などです。

 

 ここでは先の例で出した柔道部に入った弱者を虐める悪者を作ってみます。

 彼らは弱者である同級生を恒久的に虐めています。口が達者なため弱者を言いくるめて虐めます。また金を持ってこいと脅迫しています。悪者は気にくわないことがあるとわざと弱者にからんでゲームとか冗談と言いつつ蹴ったり殴ったりして暴行を加えて気を紛らわせます。弱者が我慢しているとさらに調子に乗って、周りの悪者たちと一緒に盛り上がって虐めます。同じクラスの同級生たちは悪者たちが怖いため見て見ぬふりをしています。クラスにいる正義者は、弱者が反抗しないことが問題だと思っています。

 

 こんな感じで、ひどいことをする人物として悪者を作ってみて下さい。

 

 参考までに悪者の特徴を載せておきます。作品を作る時の発想に使って下さい。

 

○悪者の特徴

 

 人の陰口を言う

 嫌がらせをする

 執念深い

 恥をかかされたことをいつまでも覚えていて復讐をする機会を待つ

 独占欲がある

 楽をして儲けたいため弱者を食い物にする

 反社会的行動をする

 他人を貶したりバカにしたりして喜ぶ

 気に入らない人を仲間はずれにする

 他人を傷つけても罪の意識を感じず、たいしたことではないと思う

 他人に指示を出したりコントロールしたりする

 人の苦しむ姿に興奮する

 他人と共感できない

 好きな人ができるとその人に意地悪をしたり暴力を振るったりする

 虐待を受けて育った

 いつも誰かと争っていて落ち着かない

 愛情不足

 機嫌が悪いと八つ当たりをする

 アルコールや麻薬の依存症にかかっている

 

 王道:三,正義者を決める

 

 正義者とは正義を愛していて誇り高く、戦う力のある人です。大人っぽくきちんとした人格の者が多いです。公明正大で勇敢な面がありますが、行きすぎるとうぬぼれ屋であったり男らしさに過剰に誇りを持ったり、向こう見ずな行動をしてしまうこともあります。

 

 また自分なりの美学を全うすることに使命感を持ち、たとえ不幸があっても己の生き様だと受け入れます。戦略を練ることに長けていて戦うことが得意です。

 

 弱者とのふれあいを通して弱者の辛さを知ります。それは正義者とは違う意味の底辺の苦しみがあることに気付いていきます。『集合』型の物語では弱者を鍛えることで改めて自分の能力に気づき、自分も鍛えられていきます。

 

 では実際に決めてみましょう。

 

 例えば正義者は現代劇なら警察官や自衛隊、自警団、司令官、武芸の指導者として表現されます。弱き者を救い、悪者を倒すことを目標としていて罪を犯すものを激しく罰します。他人を守ることに生きがいを感じていたりします。

 

 時代劇なら侍や旅する浪人として表現されます。主君のために自分の命をなげうって奉公したり、腕を磨いていつか登用されるのを目指して武芸を磨いたりします。

 

 これらの特徴で正義者を作ってみて下さい。

 

 正義者を作るポイントは何を与えるか、ということです。正義者は弱者に力であったり、勇気であったり、武芸であったり、戦略であったり、知恵であったり、ユーモアなどを与えます。正義者が弱者に何を与えるかで、弱者にどういう変化が起きるかを考えてみて下さい。それがポイントです。

 

 ここでは先に挙げた例で、弱者である生徒が柔道部に入部して出会った柔道家を正義者とします。生徒は悪者から虐められていて助けてくれる人を探して柔道部に入部しました。しかし柔道家は弱者である生徒と合いません。男らしさや強さに重きを置いているため、弱者の力の弱さを見て、軽視しています。弱いのは自己責任だと感じているのです。

 

 こんな感じで正義者を作って下さい。

 

 参考までに正義者の特徴を載せておきます。作品を作る時の発想に使って下さい。

 

○正義者の特徴

 

 礼儀正しい

 人を公平に扱う

 奉仕する

 気さく

 皆に敬意を払う

 自信があるが過剰な自信を持つ場合もある

 誠実

 落ち着いている

 行動に責任を持つ

 生真面目

 忍耐力がある

 決断力がある

 目標を設定する

 観察力がある

 人の性格を把握する

 人を思いやる

 失敗から学ぶ

 ルールを尊重する

 賢い

 人の良い面を見る

 責任感がある

 勇敢

 弱い者を守る

 おだてに弱い

 努力をしない者が失敗すると自業自得だと思う

ルールを守らない人には容赦しない

 自惚れるところがあり、自分の力量以上の問題を引き受けてしまう

 他人からの評価を気にする、他人から良く思われたい

 

 王道:四,一緒に戦ってくれる正義者を集める

 

 「一緒に戦ってくれる正義者を集める」とは弱者が悪者を退治するために戦いに秀でた人を探して雇うことです。弱者は真面目で労働などをするのは得意ですが、戦うことは苦手です。そこで戦うことが得意な正義者を雇って戦ってもらったり、自らも戦うために薫陶を受けたりします。

 

 しかし最初は仲間となる人は集まりません。それは仕事の賃金が安かったり、弱者なので軽く見られて相手にされなかったり、危険すぎて誰もしたがらないのです。

 

 また弱者はどの人が戦いに秀でているか見分けがつきません。間違えて悪者に声をかけてしまい、余計な面倒ごとを起こしたりします。

 

 効率よく戦いに秀でている者を見つけるには実際に決闘や事件が起きるといいでしょう。例えば悪者に脅されている人がいて見かねた人が助けるとか、女性が監禁され、自分が身代わりとなると言いながら隙を見て敵を倒すとか。そうやって一人の正義者の戦いや知恵に秀でている有能な場面を見せましょう。すると弱者はこの人なら戦力になるとわかりますので一生懸命、力を貸して欲しいと頼みましょう。土下座するのもいいでしょう。それだけ必死な姿を見せることでその正義者の心を動かすのです。

 

 その正義者は最初は頼みを断るかもしれませんが、弱者たちの必死な勧誘に感化され、引き受けてくれるでしょう。その後、その正義者が勧誘をするようになります。餅は餅屋のように戦いに優れている人は同じように優れている人を見抜くのは得意なものです。また、正義者たちは同じような境遇や目標があり、わかり合うのが早いでしょう。その正義者がスカウトを始めると、次から次へと正義者が集まります。

 

 正義者は色々なタイプが集まります。例えば力は弱いが知恵があり、厳しい状況でも機転を利かせて乗り越える者や、合戦や兵法などの戦略を練るのが得意な者、武術の鍛錬に余念がなく、その道を究めようとする者、武芸は弱いが性格が明るくて暗い雰囲気を明るくする者、味方の昔からの友人で、あうんの呼吸で行動ができる者、猪突猛進で戦いが三度の飯よりも好きで一番槍を目指す者、武芸はあるが何らかのトラウマがあり表情の暗い者、歳を取り過ぎて戦うことは出来ないが、他人を笑わすことができる者、逆に、まだ若くて子供っぽいところがある者、など、様々なタイプをキャラが被らないように仲間に入れるようにしましょう。

 

 では実際に決めていきましょう。それには

 

 一,最初のうまく集められない

 二,正義者との出会い

 三,正義者たちを集めていく

 

  の三つを順に決めましょう。

 

 一の「うまく集められない」は必死に探しても上手くいかなかったり、スカウトが失敗したりして罵詈雑言を浴びるなど、厳しい状況を表現しましょう。そのほうが後でスカウトがうまくいったときのカタルシスが大きくなります。

 

 次に、二の「正義者との出会い」でどんな事件を起こすのか決めましょう。できるだけ正義者が有能であったり、心の優しさを見せたりするのがいいでしょう。その後のスカウトなどが順調になるからです。

 

 最後に三の「正義者たちを集めていく」のは、前記した正義者の色々なタイプの中からキャラが被らないように、正義者を数名、作ってみましょう。どのタイプを選ぶかで悪者との戦い方も変わります。知力中心で戦うのか、武力中心で戦うのか、それとも折半するのか。お好きなように決めて下さい。

 

 柔道家の例で言えば弱者は柔道部に入り、自分の代わりに戦ってくれそうな柔道家を探します。しかし最初は相手にされません。それは弱いことは自己責任だから自分でなんとかするべきだと柔道家は思うからです。また悪者を苦手とする柔道家もいるのです。

 

 そんな時、体育の柔道の時間に悪者が弱者に技をかけて虐める現場を見ます。卑怯な

技をかけて楽しんでいます。弱者は泣き出します。それを見て悪者は笑います。柔道家は目に余ると思い「そんなことしなくてもいいじゃないか」と声をかけます。悪者は余計なことをしやがってと思い、柔道家を襲い、技をかけますが簡単に振り切られ、逆に倒されます。悪者はばつの悪い顔をしながら起き上がります。柔道家は人道的に良くないと思い、弱者を連れて他の教室に行きます。

 

 教室で弱者は泣き止むと、こんな人生、もう嫌だと言いながらさきほど見た柔道家の強さを思い出し強くなる方法を教えて欲しいと頼みます。その姿を見て柔道家は心を揺さぶられて力を貸すことにします。弱者の弱さを受け入れ、そして一緒に戦ってやると約束します。そしてこの柔道家が他の柔道家たちに声をかけ、悪者に対抗するために力を貸してくれる人が集まりました。

 

 こんな感じで「戦ってくれる正義者を集める」を作って下さい。

 

 参考までに「正義者との出会い」でどんな事件を起こすか、具体例を載せておきます。参考にして下さい。

 

 ○「正義者との出会い」で起きる事件の具体例

 

 悪者が店を襲うのを見て正義者が店を守る。

 悪者が他人をいたぶっているところを見て、正義者が助ける。

 悪者が詐欺を働き、金を巻き上げようとするのを見て、正義者が悪者を懲らしめる。

 悪者が他人に暴行をして金を奪おうとしているところを見て、正義者が助ける。

 悪者が盗みをしようと鍵を壊して店に入ろうとして正義者が悪者を倒す。

 悪者が町の女を強姦しようとしているのを見つけて、正義者が女を助ける。

 悪者が他人に濡れ衣を着せようとすると正義者が話を聞いて悪者の言動を指摘して他人を助ける。

 

 また参考までに「正義者たちを集めていく」でどんなタイプを集めるといいか具体例を載せておきます。発想の参考にして下さい。

 

○「正義者たちを集めていく」で集まってくる正義者のタイプ

 

 力は弱いが知恵があり、厳しい状況でも機転を利かせて乗り越える者

合戦や兵法などの戦略を練るのが得意な者

武術の鍛錬に余念がなく、その道を究めようとする者

武芸は弱いが性格が明るくて暗い雰囲気を明るくする者

味方の昔からの友人で、あうんの呼吸で行動ができる者

味方と昔からの敵で対立を起こす者

猪突猛進で戦いが三度の飯よりも好きで一番槍を目指す者

武芸は秀でているが何らかのトラウマがあり表情の暗い者

歳を取り過ぎて戦うことは出来ないが、他人を笑わすことができる者

まだ若くて子供っぽいところがある者

残虐な行為を好む者

 

 

 以上です。次に『王道:五:戦闘の準備をする』を解説します。

 

 王道:五,戦闘の準備をする

 

 「戦闘の準備をする」とは正義者が弱者たちに戦いの仕方を教えながら交流をして次第にお互いを理解し合うことです。

 

 ここでは恋愛というポジティブな現象やトラウマというネガティブな現象を通して弱者と正義者のお互いの違いからイザコザが起きて激しく言い争ったり仲良くなったりします。正義者は弱者たちの辛さやしたたかさに触れて、弱者たちを強くするために訓練をします。弱者たちは正義者のために飯を作り、訓練を受け入れます。

 

 ここでは弱者と正義者の橋渡しをする者がいるとスムーズに話が進みます。たとえば元弱者で今は正義者になっている人物とか、元正義者で今は弱者になっている人物とか。そういう人物が両方の立場を理解し、助言をしたり怒ったりしてつながりを持たせ、お互いの認識を変えていきます。

 

 例えば正義者たちは弱者の住む町をどのように守るかを話し合い、町を守るために弱者の一人に今の仕事を辞めさせて悪者の戦力はどのくらいいるか調べるように、間者の役目を与えます。しかしその弱者は自分の仕事ができないと怒り出すのですが、でも戦うということはそういうものだと言い、対立が生まれます。そんな時に橋渡しをする者が出てきて、からかったり、いさめたり、励ましたり、怒ったりしながら和解を生み出します。

 

 例えば不利益を受ける弱者に向かって「自分の個人的な欲求をやめて皆のためという意識を持て。町を守るためと思ってやれ」と説教をします。正義者たちにも弱者のしている畑仕事がどれだけ地道にしなければいけないのか、休むことでどのくらいの損害が出るかを伝えて認識を変えさせます。そうやって両方の立場をお互いに理解させていきます。

 

 交流を通して弱者たちに戦うという意志と自信がつけば準備は完了です。

 

 では実際に決めていきましょう。

 

 正義者が弱者に戦い方を教える中で対立や和解を繰り返して交流していく場面やそれを橋渡しする人物の場面などを作りましょう。お互いがぶつかり合い、エゴや憎しみの気持ちを表現しながらお互いが力を合わせて悪者を倒すことに向かっていくように作りましょう。

 

 また、正義者と弱者の恋愛やお互いのトラウマを話し合う場面などもいいでしょう。例えば夫を悪者に殺された弱者が正義者の日常の世話をしていく中で、正義者が優しくするうちに過去の悪者から受けた暴力についての怒りを吐き出し、恋愛に発展していくとか。恋愛やトラウマの解消を通して正義者と弱者はわかり合っていきます。

 

 柔道家の正義者に戦い方を教えて欲しいと言った弱者の例で言えば弱者は正義者に柔道を習い、鍛えられていくうちにいじめられた過去を思い出し、苦しくなって胃から食べ物を吐きます。それは過去の辛い体験を外に吐くという行為で手放したということです。吐けるだけ吐くと、弱者は過去の辛さを乗り越え一つ強くなりました。また正義者は弱者の辛い過去を知ることで、こういう人生もあるのだ、全て自己責任とは言えないと認識が変わりました。

 

 こんな感じで「戦闘の準備をする」を作って下さい。

 

 また、この「戦闘の準備をする」時期は戦術を考える時期でもあります。

 例えば『孫子の兵法』を参考にすると「彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず」で、まず悪者と弱者の戦力を調べます。そのために間者などのスパイを使うのもいいでしょう。両方の戦力を知ることで悪者に勝つための対策が練られます。

 

 次に弱者の住む町、敵のアジト、弱者の住む町から敵のアジトまでの地形を調べます。そして戦うために悪者にとって都合が悪く、弱者にとって守りやすい地形や場所などはどこかを探します。またはどういう形なら守りやすいかを考えます。そして守りを固めるために土木作業をして地形を変えたりトラップを作ったりするのもいいでしょう。そうやって守りを固めて敵を向かえ討つのです。

 

 では実際に決めていきましょう。

 

 正義者は弱者の一人を間者として敵のアジトに向かわせて戦力を調べさせます。そして弱者たちの戦える者はどのくらいいるかなどのこちらの戦力も調べさせます。

 

 また正義者は町の周辺を歩きながらどういう地形かを調べ、実際に戦いになった時、どのように守ればいいかを考えます。そして守るのが難しい場所は強固なバリケードを作り、敵がこちらの都合の良い場所に誘導するための道を作りました。こんな感じでお互いの戦力や地形などから勝つ戦略を練ります。

 

 柔道家の正義者に戦い方を教えて欲しいと言った弱者の例で言えば、正義者は弱者に稽古をつけることで今はどのくらいの力があるかを知り、また悪者たちを詳しく調べてどのくらいの力があるかを知ります。そして弱者でも悪者に勝てる作戦はないかと考えます。作戦が見つかればそのまま弱者が身につくように特訓をしました。

 

 こんな感じで「戦闘の準備をする」を作って下さい。

 

 参考までに戦う準備について具体例を載せておきます。作品作りの参考にして下さい。

 

○戦闘の準備をするの具体例

 

 自軍の戦力を調べて戦略を練る。

 敵の戦力を調べる。

 自軍の戦闘員に武器の使い方を教える。

 自軍の戦闘員に守り方を教える。

 自軍の戦闘員に集団で戦う方法を教える。

 自軍の戦闘員に集団で守る方法を教える。

 自軍の地形を調べる。

 自軍の地形で弱いところにはバリケードを張る。

 自軍の地形などを考えて敵とどのように戦うといいか戦略を練る。

 自軍の地形に合わせて敵がトラップにかかるように誘導する道筋を作る。

 敵のアジトを観察して奇襲するための戦略を練る。

 

 王道:六,戦う

 

 「戦う」とは文字通り、弱者と正義者で悪者たちと戦うことです。ここでのポイントは「王道:一、弱者を決める」で弱者にあった恐れを克服することです。

 

 正義者は戦略を練っておきました。例えば一対一では不利なので敵を一人一人孤立させて多数で取り囲んで戦ったり、ゲリラ戦で敵が休んでいる時にこっそり接近し、太鼓を鳴らして驚かせて休まる暇を与えなかったりして悪者たちを倒すためにあらゆる方法を使います。

 

しだいに悪者たちは焦りだし、死に物狂いで襲ってきます。中には弱者たちの隙をついて手薄になった場所から攻め入り、正義者が倒されることもあります。しかし死闘を繰り広げた後、最後には弱者と正義者は悪者を滅ぼして勝つのです。弱者の町は平和になり、人々は明るい顔で生活を送り、正義者は去って終わります。また、正義者が戦いの中で亡くなり、弱者だけで悪者を滅ぼすという終わり方もあります。

 

 では実際に決めていきましょう。

 

 例えば『孫子の兵法』を参考にして戦法を取ります。戦法として敵と味方の勢力によって行動を変えます。例えば敵と比べてこちらの兵力が十倍なら包囲する、五倍なら正面から戦う、二倍なら挟み撃ちにする、互角の兵力なら奮戦する、劣勢の勢力なら防御に徹する、小勢の兵力なら衝突を避けるなどです。

 

 また、ゲリラ戦を行い、夜に悪者たちが休んでいるときにこっそり接近して太鼓を鳴らして驚かせ、休まる暇を与えず疲れさせるのもいいでしょう。

 

 また、敵の兵士たちがどこを目的にして進んでいるか目星をつけ、突然、兵士たちの横から現れて攻撃するとか、わざと落とし穴を作っておいてそこに誘い出して罠にはめるとか。また勝てる理由を探してそれを皆で言うことで士気を高めるのもいいでしょう。

 

 柔道家に戦い方を教わった弱者の例で言えば、正義者である柔道家たちは悪者たちが集団で弱者の生徒を攻撃させないために連携して、悪者たちを分断させ、悪者の親玉と弱者だけにします。二人は戦うのですが、弱者は柔道の技はたった一つしか習っていません。でも技をかけるには、力ではなくリズムと間合いが大切だと教わったため基本に忠実に戦います。悪者は腕力があるのですが、弱者にとって有利な間合いで戦うため技がかけられず、焦ったところを弱者の技が決まり、悪者を倒しました。他の悪者たちも正義者の柔道家たちに倒されて、悪者たちは負けを認めて弱者を虐めることをやめます。こうして戦いは終わりました。弱者はこの戦いを通して自分はできるのだ、自分の身は自分で守れるのだと自信を深めてこの物語は終わりです。

 

 こんな感じで「戦う」を決めて下さい。

 

参考までに戦うについて具体例を載せておきます。作品作りの参考にして下さい。

 

○戦うの具体例

 

 

敵と比べてこちらの兵力が十倍なら包囲する。

敵と比べてこちらの兵力が五倍なら正面から戦う。

敵と比べてこちらの兵力が二倍なら挟み撃ちにする。

敵と比べてこちらの兵力が互角の兵力なら奮戦する。

敵と比べてこちらの兵力が劣勢の勢力なら防御に徹する。

敵と比べてこちらの兵力が小勢の兵力なら衝突を避ける。

敵を一人一人孤立させてから多数で取り囲んで戦う。

ゲリラ戦で、夜に悪者たちが休んでいるときにこっそり接近して太鼓を鳴らして驚かせ、休まる暇を与えず疲れさせる。またはそのまま奇襲として戦う。

敵の兵士たちがどこを目的にして進んでいるか目星をつけ、突然、兵士たちの横から現れて攻撃する。

落とし穴を作っておいてそこに誘い出して罠にはめる。

勝てる理由を探してそれを皆で言うことで士気を高める。

退路を断って戦うことに集中させる。

 

三幕構成で『集合型』を解説する

 

 『集合型』をさらに細かく知るために構成の基本である三幕構成を用いて物語を解説していきます。物語の作り方と重複する部分がありますが、それだけ重要な部分ですので、理解して下さい。また『集合型』の作品を作る場合の参考にして下さい。

 

王道:第一幕:災難の予兆から力になってくれる人を探す

 

 『集合型』の物語の冒頭では主人公は町の近くに悪者が来ているのを見たり、声をかけられたりします。そして悪者は夏が終わったらまた来ることがわかります。主人公は慌てて町中の人を集めて相談をします。

 

 皆、悪者を怖がっています。何故なら過去に町の金品や米や女たちを奪われたからです。そしてまた奪われると思い、怒り出したり泣き崩れたりします。そんな時、町の一員である主人公が「もうこんな目に遭うのは嫌だ」と言って「おらたちで悪者を倒そう」と言います。しかし「おらたちは職人で戦い方を知らない」と反対され、ならば戦いの専門家である傭兵を雇おうと言います。皆はこんな貧しい町を助けようとする傭兵などいないと言いますが、一番年上の職人がそうしようと言い、主人公など五人を選び、街へ行って傭兵を雇ってくることになります

 

 主人公たちは街に出て、戦いに優れた傭兵を探すため大きな街の酒場に入ります。そして酒を飲んでいる男たちに傭兵になってくれないかと話しかけます。しかし貧しい職人が傭兵を雇うという話に、誰もが笑い、相手にしてくれません。

 

 しかたなく酒場から出て、街を歩いている強そう人に目星をつけると、話しかけて頼むのですが断られます。

 

 そんな時、街に悲鳴が響き、何事かと見てみると女の首に刀を突きつけた男が女を引きずりながら酒場に入っていきます。そして悲鳴が上がり、酒場にいた男たちが逃げ出してきます。

 街の人も主人公たちもどうなるのだと酒場を眺めていると、見知らぬ男から「縄を持っているか、持っていたら用意しろ」と主人公は言われ、言うとおり縄を用意すると男は「女は解放しろ、代わりに俺が捕まってやる」と言って酒場に入っていきました。

 

 主人公はどうなってしまうのだろうと考えていると悲鳴が聞こえました。すると女を刀で脅していた男が出てきたと思ったら、縄の男に羽交い締めにされていました。そして「縄で縛れ」と言われて慌てて主人公は羽交い締めにされた男を縄で縛って動けなくしました。女が男に礼を言うと、男はそのまま歩いて行きます。主人公は男の有能さに(この人ならきっと力になってくれる)と思い、声をかけて自分たちの事情を話します。

 

 男は最初は「戦をするには歳を取り過ぎた」と言って笑って断るのですが、主人公たち、職人がいかに辛いか、涙を浮かべて訴えます。その涙を見て、男は承諾しました。それからその男が中心になって味方になりそうな男を捜すことになります。

 

 男のことをここでは正義者と名付けます。

 

 正義者は色々な人に話をもちかけるのですが、危険で報酬も安いので断られます。ならば金のない傭兵を雇おうと、潰れそうな酒場に行き、そこで勧誘をします。すると食い物がもらえるならやるという男たちがいて仲間になりました。

 

 そして五人ほど(うち一人は女性)傭兵を雇うことが出来て、これで十分だと酒場から出ると一人の男が正義者に「お手合わせ願いたい」と言います。正義者は「するだけ無駄だぞ」と言うのですが、再度、「お手合わせ願いたい」と言われて戦うことになります。

 

 正義者と男は戦い、見た目では相打ちのように見えました。しかし正義者は「私の勝ちだ」と言い、主人公と一緒に去ろうとすると、男は後を追いかけてきます。そして「もう一度、お手合わせ願う」としつこく言ってくるのですが、無視して主人公たちは仲間たち(ここからは雇った五人全員を正義者と呼びます)を連れて町に帰ります。男は後ろから付いてきます。

 

王道:第二幕前半:戦いの準備をする

 

 町に帰ると出迎えた職人たちは正義者たちに住処として各家を紹介して飯などの世話をします。ところが職人は正義者を怖がってしまい、素っ気なかったり冷たい態度を取ったりします。正義者たちは困ったなと思いながらとりあえず町で生活を始めます。

 

 正義者は主人公と一緒に、歩きながら町の地形を調べて戦略を練ります。

 他の正義者たちは職人を戦力にするために竹槍を持たせて戦い方を教えます。ただ、職人たちは緊張しているので慣れません。そんな時、正義者たちに付いてきたお手合わせを願った男が、職人たちを集めて自分の初陣の時の話を身振り手振りで面白おかしく話します。すると、職人たちは爆笑し皆の緊張がほぐれ、仲良くなります。その姿を見て、正義者たちは彼も我々の仲間になったと言います。

 

 女の正義者も一つの家を与えられて、そこで寝泊まりをすることになります。女の正義者の世話は主人公がしています。主人公は朝と夜にご飯を作り女の世話をしながら、女の正義者から竹槍の使い方を習います。主人公は難なく竹槍をこなすことができて、女の正義者はたくましく感じる主人公に情がわきます。そして槍の秘技を教えます

 

 主人公は自分はろくに食べずに、女の正義者のために豪勢な食事を作って食べさせます。そんな主人公の優しさに惹かれていき、二人はだんだん親密な関係になっていきます。

 

 女の正義者は主人公の家財道具に鏡があることに気付きます。女の正義者は主人公に「何故、女がいないところに鏡があるのか? 前に嫁がいたのか?」と尋ねますが、主人公は何でもないと答えて奪うように鏡を抱えて持っていってしまいました。

 

 他の正義者は職人を鍛えつつ、間者を使って悪者たちのアジトや戦力を調べることにします。間者の役を主人公にさせることにするのですが主人公はそんな仕事をしていたら鍋を作る暇がないと言って怒ります。街で正義者を集めるのに予想以上に時間を使い、放置していた仕事が溜まっているです。”

 

 そんな時、女の正義者が個人の傲慢を捨て、皆のために働くことが大切だと説得します。そして女の正義者が「お前が間者をしている間は私が鍋を作る」と言って和解します。

 

王道:第二幕後半:初めての戦闘と報酬

 

 主人公は馬に乗り、敵のアジトの近くに着くと隠れて敵を観察します。敵は三十人ほどだとわかります。町に帰り、正義者たちに伝えます。正義者たちは職人と正義者は六十人、悪者は三十人と、数だけならこちらの戦力のほうが多いことがわかり、悪者たちを挟み撃ちすることに決めました。

 

 町の周りにバリケードをはり、町に入ってこられる道を一本だけにしてそこに落とし穴を作り、悪者たちをそこに誘導させて落ちたら挟み撃ちをして倒すことになりました。そのための土木工事を行い、完成します。

 

 正義者の二人が敵のアジト付近の地形とアジトを見ておきたいと言うので、主人公たちはそれぞれ馬に乗って向かいます。アジト付近で降りるとそこから隠れてアジトの建物を観察します。するとアジトの建物から女が一人出てきました。その姿を見て主人公は驚きます。「どうした? 何かあったのか?」と正義者が尋ねると「おらの妹だ」と主人公は答えます。そして正義者たちが止める間もなくそのまま妹のところへ走って行きます。

 

 主人公が妹の手を掴むと妹は驚き、棒立ちになります。するとアジトにいる悪者が主人公に気づき仲間を呼び、四人の悪者がアジトから出てきます。正義者たちも走って行き、主人公と妹を守るように戦い、悪者を二人倒します。その隙に、主人公は妹を連れて馬に乗って逃げます。正義者たちも残りの二人を倒すと馬にまたがり逃げます。

 

 町が見えたところで妹は「下ろしてくれ」と言い下馬します。そして「帰れない」と言います。主人公が尋ねると「おらはもう職人じゃない。悪者たちに汚された女だ」と言います。すると主人公は「お前に何があろうとおらの妹だ」と言って抱きしめます。妹は泣きながら座り込み大きな声で泣き、泣き止むと子供のように主人公と手を繋ぎなら町に帰ります。

 

 町に帰ってくると職人たちは妹を見て、驚きます。そして正義者たちが悪者を四人倒したことを知り、喜びます。お祝いをすることになりました。

 

 その夜、正義者や主人公を囲炉裏の周りに座らせ、酒を振る舞います。しかし、主人公の妹が座ろうとすると職人が嫌がります。職人の一人が「悪者に傷物にされた女を受け入れるのは難しいだ」と言い、主人公は怒り出します。「妹のおかげで町は米を奪われなかったんだ。町の犠牲になったんだ。そんな妹をこれ以上、愚弄するならおらが許さぬ」と怒鳴り、妹を慰めます。そして職人を殴ろうとすると正義者たちに止められます。

 

 正義者は言います。「主人公は職人のために自分を犠牲にして間者になった。だから今度は町の犠牲になった妹を職人は受け入れなければいけない」と。職人は謝り、和解します。こうして閉鎖的だった町が正義者を受け入れたり、主人公の妹を受け入れたりすることで生まれ変わります。より開放的で多様な町に変わります。                     

 宴が終わり主人公は妹と家に帰り、女の正義者と会います。女の正義者はあの鏡は妹のものだとわかり「帰ってこれてよかったな」と言って慰めます。

 

王道:第三幕:最後の戦いで悪者を倒す

 

 宴会をした次の日、鐘が鳴るのを聞き職人と正義者たちは持ち場に着きます。仲間を殺された悪者たちが馬に乗って襲ってきたのです。しかし、正義者たちがバリケードを張っていたので、悪者たちは町の中に入れず進むことが出来る唯一の道を走り、まんまと落とし穴に落ちます。そこで潜んでいた職人と正義者たちは挟み撃ちをして剣や竹槍で悪者を倒していきます。悪者たちは十五人倒され、穴から抜け出すと必死に逃げていきました。

 

 職人と正義者たちは次の攻撃が来るのかと待ちながら持ち場で監視をします。夜になり、主人公たちは交代をしながら監視を続けていると、女の正義者が現れ、二人っきりになると「もう落とし穴は通用しない。明日は死闘になるぞ」と言います。主人公は頷いて、女の正義者を抱き寄せて二人は一つになります。

 

 朝になり悪者たちが攻めてきます。落とし穴の前に来ると用意していた木の柱を倒して橋を作り、町の中に入ってきます。職人と正義者たちは自分たちを守りつつ、隙を見つけては悪者の馬を攻撃します。そして落馬した悪者のとどめを刺していきます。

 

 しかし正義者たちや職人も倒されていきます。死闘です。敵の数が残り三人になる頃には正義者は全滅しました。生き残った主人公と職人たちは正義者たちから教わった守りを固めつつ、相手の隙をつく戦いを実行し、一人、また一人と倒していきます。しかし最後の悪者は腕が立ち、なかなか倒せません。その時、職人の中から主人公が一人、前に出ると女の正義者から習った槍の秘技を使って、最後の悪者を倒して戦いは終わります。

 

 悪者を全て倒し、町は平和になりました。犠牲者の墓を作り、主人公は「ありがとう」と呟き、正義者たちの墓に手を合わせて祈るのでした。

 

★三,王道『成金型』★

 

 『成金型』は立身出世の物語です。主人公は貧しい家の生まれであったり田舎者であったりするのですが、ある時、トラブルやまたはチャンスが訪れて自分とは違う生き方をしている人たちと出会います。その人たちはまだ小僧なのに財布に大金を入れていたり、小さな会社の社長なのに美しい愛人を囲っていたりします。貧しい生まれや田舎者であった主人公はこういう生き方があるのかと驚きます。そして自分もそうなれるのではないかと思い、知識があって信頼できそうな人に相談します。

 

 相談を受けた人は半分、冗談を言いながら主人公にそういう生き方をするのは可能だし、そうやって成り上がった人は大勢いると話します。きっと主人公も同じようになれると言い、主人公はその気になって自分もそうなってやると大きな野心や野望を持つようになります。

 それは大金持ちになるとか、誰もが羨む天女のような美しい妻を持つとか、自分の店を持って大企業にするとか、時代劇なら大名になって全国制覇を目指すとか、剣の道を追求して達人になるとかです。

 大きな野望であればあるほど壁が高いのですがそれを乗り越えていく姿に読者は楽しみます。

 

 主人公は野望を持ち、それを叶えるために今、できることは何かを考え一つ一つ行動をしていきます。そして様々な巡り合わせからチャンスがやってきます。それは株に投資をして大儲けするとか、人事異動などで自分のしたい仕事につくなど、様々なチャンスです。そのチャンスを掴むことで人間的な器を大きくします。

 

 ただ晴れの日があれば雨の日もあるように、ネガティブなことも起きます。それは株で大損をするとか、仕事を失敗して会社に迷惑をかけるとか。まるで陰陽のように、良い時期と悪い時期を繰り返しながら様々な経験をして反省をして自分の肥やしにして自分の器を大きくしていきます。そして様々な成功や窮地を経験しながら最後には自分の望みを叶えます。

 

これが『成金型』のおおまかな説明です。

 

 この物語を作る場合、以下の六つの事柄を決めましょう。

 

 一,貧しい生まれを決める。

 二,人から好かれる愛嬌を決める。

 三,才能や特技を決める。

 四,野心や野望を決める。

 五,自分の生き方を相談できる人を決める。

 六,陰陽で人間的な器を大きくする。

 

 一つ一つ解説していきます。

 

○この物語の作り方 『成金型』を作る六つの事柄について

 

 王道:一,貧しい生まれを決める。

 

 主人公は貧しい人です。貧しい家庭に生まれ、親は慢性的に金がなく主人公に金を与えることが出来ません。そのため主人公は物が買えず、いつもひもじい思いをします。だからこそ幼い時からどうしたら金が手に入るかを考えます。親から貰えないなら祖父母を頼ったり、友人で豊かな者がいれば彼らを頼ったりします。それでも無理なら金を稼ぐための方法を考えます。

 

 例えば誰かが捨てた雑誌を拾って汚れを落として古本屋に持っていって買い取って貰うとか、砂浜に漂流した木片をアクを抜いてアクアリウムの品物として売るなどしてお金を得ようと考えます。商魂たくましくお金を手に入れる方法をいつも考えます。

 

 では実際に貧しい生まれを決めてみましょう。

 

 貧しい生まれを作るポイントはお金がないということです。両親や先祖代々、貧しい家で、住居も古いのですが立て直すお金がないため錆やカビでぼろぼろになった壁はそのままになっています。障子もぼろぼろに破れ畳もぼろぼろで足の裏がちくちくします。

 

 またお金がないため進学できなかったり父親は稼いだ金を全て酒に使ってしまうので、両親の喧嘩が絶えなかったりします。

 

 また、母親は小学生の主人公に学校の給食で余ったパンを、鳥にあげるためと嘘をついて貰ってくるように言います。そのパンが自分たちの主食になっています。主人公はこういう貧しさが嫌になり、現状を変えようと必死に働いたり、今を変えようと必死に考えたりします。

 

 こんな感じで「貧しい生まれ」を作って下さい。

 

 さらに具体例を書くと、例えば主人公は貧しい農家の次男の生まれとします。勉強なんかしなくていいと言われて、ろくに勉強をさせてもらえず代わりに夕方まで野良仕事をさせられているのに食事は稗や粟や芋ばかりでろくに米が食べられません。子供の頃からお菓子を食べたことがなく、おやつとして出るのはふかした芋だけでした。だからケーキ屋を見ると悲しい気持ちになります。また親から愛情をかけられたことが少なく、野良仕事がうまくいかないと殴られたりして八つ当たりをされているかもしれません。親は子供にお金を与えるとろくなことがないと思い込み、子供にお金を持たせずそのお金は自分の酒代になります。

 

 もう一つ具体例を書くと、主人公は居酒屋を経営する両親に育てられ、小学生の頃からいつも店の手伝いをさせられ、深夜まで注文を取って配膳をしたり手の指があかぎれになるまで皿洗いをしていたりします。親は勉強なんか金にならないという偏見があり、常々、主人公に勉強などするなと言います。しかし、貧しくて勉強をさせてもらえないからこそ、怖くなって必死に勉強をします。そしていつか大学を出て、この生活から抜け出すぞと心に誓っています。少しでも時間が空けば熱心に教科書を読んでいるので成績は良いです。

 

 二つの例のように主人公は貧しい生まれだからこそ幼い頃から自分が欲しいものを得るためにはどうしたらいいかを考え、恥も外聞も気にせず、今を変えるためになんとかしようと行動をします。

 

 また貧しいからこそ頭の中でそろばんを弾いて損得を計算します。人間関係もどこかで損得で考えて付き合う人を決めます。自分で出来ることは限られているため、自分の望みを叶えるために人脈が大切だと理解しています。そのため、権力者におべっかを言ったり尻尾を振ったりして、それを恥とは思いません。自分ができないことは他人に任せるほうがいいことを知っているのです。

 

 これらの特徴で貧しい生まれを作ってみて下さい。

 

 ここでは例を挙げてみます。例として魚屋の息子とします。魚屋の息子は子供の頃から学校から帰ると夜まで働かされ、食事は店で売れ残った魚ばかりで、魚を見るだけで嫌になっています。また魚をさばくのを手伝わされていて、生き物を殺すことにためらいがあります。しかも働いているのにお小遣いを貰えず、おもちゃを一つも持っていません。友人たちの家におもちゃがあったので羨ましく思って、一度、盗んで、見つかりこっぴどく叱られた経験があります。そのため不正行為は駄目だとわかり、その他の方法でお金を得るためにどうしたらいいかを考え、外で働けばお金をごまかすこともできるかもと新聞配達を始めました。

 

 こんな感じで貧しい生まれを作ってみて下さい。

 

 参考までに貧しい生まれの具体例を載せておきます。作品の発想に使って下さい。

 

○貧しい生まれの具体例

 

 親は慢性的に金がなく主人公に金を与えることが出来ない。

主人公は物が買えず、いつもひもじい思いをする。

両親や一緒に住んでいる人が病気がち。

親から金を貰えないなら祖父母を頼ったり、友人で豊かな者がいれば彼らを頼ったりする。

捨ててある雑誌を拾ってきて古本屋で売るなど商魂たくましくお金を手に入れる方法をいつも考える。

捨ててある電化製品を直してリサイクルショップで売る。

学校の給食で余ったパンを、鳥にあげるためと嘘をついて貰ってくる。

 勉強など必要ないとろくに勉強をさせてもらえず働かされる。

食事は稗や粟や芋ばかりでろくに米が食べられない。

 稼いだ金は父親の酒代に変わる。

 貧しいからこそ、そこから抜け出す方法をいつも考える。

 常に損得勘定をする。

 自分に損となることは拒絶する。

 浪費を嫌がる。

 物が壊れても修理してとことん使う。

 

 王道:二,人から好かれる愛嬌を決める。

 

 『成金型』の主人公には他人から愛される愛嬌などがあるものです。貧しい生まれだからこそ、それを乗り越える力を身につけるためにはむやみに敵を作らず、人から好かれる特徴が重要です。

 

 では実際に人から好かれる愛嬌を決めましょう。

 

 例えば見た目として顔が動物の猿に似ているから「猿」と呼ばれていたり、天然な性格で言動が変なところが可愛らしかったり、焦るとあわあわして、そんな姿に愛嬌を感じるとか、常識外れな態度や無礼な態度をしていても、田舎者丸出しの姿にどこか許せてしまう可愛らしさがあるとかです。

 

 こんな感じで「人から好かれる愛嬌」を作って下さい。

 

 愛嬌のポイントは、何かが劣っているということです。その劣っているところが見えると、お世話をしたくなったり可愛らしさを感じさせたりします。

 

 また愛嬌はあだ名として表現されます。たー坊とか、ゆーちゃんとか、親しみを込めてあだ名を付けられます。

 

 これらの特徴で人から好かれる愛嬌を作ってみて下さい。

 

 ここでは前に書いた魚屋の息子の例を挙げてみます。魚屋の息子は魚をたくさんさばいているため、魚の霊が夜になると集まってくるように感じて、夜中に外を歩けません。そして大人になってもそれが治らず、そんな夜を怖がる姿は、周りの人間を微笑ましく感じさせて笑わせたり愛嬌を感じさせたりします。そして魚だからギョーちゃんと呼ばれています。

 

 こんな感じで「人から好かれる愛嬌」を作って下さい。

 

参考までに愛嬌の具体例を載せておきます。作品の発想に使って下さい。

 

○愛嬌の具体例

 

 たぬき顔をしている。

天然な性格で言動がへんてこりん。

焦るとあわあわする。

方言など田舎者丸出しで周りを和ませる。

予期しないことで笑いが起きる。

その人が笑うと周りもなんだか可笑しく思えて笑顔になる。

ユーモアのセンスがある。

恥ずかしそうな顔をすると守ってあげたくなる。

言い間違えや聞き間違えをして周りを笑わせる。

笑顔が多く人懐こい。

時々、幼児語を使う。

 

  王道:三,才能や特技を決める。

 

 『成金型』の主人公は特殊な才能や特技があるものです。一角の人物になるには他の人ができないことができる必要があります。それは言われたことは全て頭に記憶されていて、いつでも思い出すことのできる卓越した記憶力とか、どんな人でも笑わせることのできるユーモアや赤の他人とすぐに和気藹々となれる会話力であったり、麻雀やギャンブルなどに強い、強運であったり、じっくりと仕事に取りかかり大きな失敗があってもうろたえない冷静さであったり、地道な仕事を途中で投げ出さない我慢強さであったりします。

 では実際に「才能や特技」を決めてみましょう。

 

 どういう才能や特技があると一角の人物になれるかを考えてみましょう。その物語では主人公はどういう仕事をするか、どういう力があると他の人よりも有利になるかを考えて下さい。

 

 例えば医者として働いていて、過去に来院した患者のカルテを見なくても患者の氏名や病歴、体質、癖などを全て覚えていて、患者が病院に来て姿を見るだけで体の変化がわかりどのような病気が起きているかを見抜く眼力があるとか、八百屋で取り扱う野菜や果物の品種や旬を全て覚えていて、また野菜を見ただけでどのくらい育っているか、甘みや味なども見ただけでどのくらいかを判断できる力があるとか、毎日、TVで全国の天気をチェックしておき、今年の野菜の育ちや売価がどのくらいになるか見通しを把握しているとか。そして天気や時期などから今の時期は、どこの野菜が一番、美味しいかを把握しているとか。

 こんな感じで「才能や特技」を作って下さい。

 

 ポイントは、仕事に合わせた才能だということです。この仕事をするならこういう才能や特技があると一流の人物になれると思いつくものが良いでしょう。その才能や特技が仕事の成功を呼び込み、自信を付けます。

 

 これらの特徴で「才能や特技」を作ってみて下さい。

 

 ここでは前に書いた魚屋の息子の例を挙げてみます。魚屋の息子はお金が欲しくて新聞配達を始めました。新聞を配る前に、配る新聞の数を数えて袋に詰めるのですが、主人公は他の従業員がしないことまでします。それは袋に詰める前に新聞の数に間違いがないように三回チェックをして間違いが起きないように注意を払います。そして新聞を配りながら家々の窓から明かりが点いているかを確認して、ここの家の人は何時頃に起きるかを把握しています。早く起きる人にはできるだけ早く新聞を配ります。そうやって新聞を配っていくうちに朝方の人の動きがわかってきて、もう起きている人がうるさくないようにその家の近くになるとカブのエンジンを止めて押して進みながら新聞を配ります。そういうきめ細やかな配慮は新聞を配られるほうも気づき、新聞の販売所の評判が上がりました。魚屋の息子は魚屋でいつもお客との接し方や配慮をしていたので、その気遣いが新聞配達をするのに役立ったのです。

 

 こんな感じで「才能や特技」を作ってみて下さい。

 

 参考までに才能や特技の具体例を載せておきます。作品の発想に使って下さい。

 

○才能や特技の具体例

 

他人から言われたことは全て頭に記憶される卓越した記憶力がある。

どんな人でも笑わせることのできるユーモアがある。

赤の他人とすぐに和気藹々となれる会話力がある。

麻雀や競馬などギャンブルが強く、強運である。

じっくりと仕事に取りかかり大きな失敗があってもうろたえない冷静さである。

地道な仕事を途中で投げ出さない我慢強さがある。

卓越した体力があり三日間、寝なくても仕事が出来る。

他人を観察する力があり、すぐに相手の本性を見抜く。

論理的思考が得意で、この先がどうなるかを推理してそのとおりになる。

集中力が高く、朝から仕事を始めて気がついたら夜になっていた。

美声があり、その声を聞くと周りの人が魅了される。

 

 

王道:四,野心や野望を決める。

 

 野心や野望を決めるとは自分の一生の仕事を決めてその道で成功してやると誓うことです。

 主人公は貧しい暮らしのためいつも金がありません。そして今の生活に嫌気が差したり、トラブルを起こして貧しい家から飛び出したりします。そのまま知り合いや友人を頼り、都会の住み込みで働ける仕事に就きます。

 

 その仕事で出会う人たちはお金を持っています。それも一番下の小僧でも財布をパンパンにしています。それを見て、都会の人は金を持っているなと思うのです。

 

 そして仕事を覚えて働いていくうちに上客や金持ちの人と接することが増えていきます。主人公はだんだんと自分でもそんなふうになれないかと感じます。また仕事をあらかた覚えてしまい、仕事に飽きているので何か自分の一生をかけてする仕事はないものかと考えます。

 

 そんなある日、街を歩いていたら上級国民らしき夫婦を見かけます。その垢抜けた格好といい、裕福そうで幸せそうな顔つきを見ていて、主人公は人生の不公平さに怒りを覚えます。金がなくてひいひい言っている職人がいると思えば、都会に住んで美しい妻を持ち、使い切れないほどの金を持って悠々と生きている人もいる。そんな不公平さや自分の境遇に怒りを感じて、いつか自分もああなってやると思うのです。金を儲けてやる。上級国民に負けないほどの金を儲けてやると。

 

 では実際に「野心や野望を持つ」を決めてみましょう。

 

 野心や野望は、辛い体験をしたときに覚えるものです。自分よりも裕福そうな人と出会い、その豊かさがまぶしく見えて、自分の境遇と比べて悲しくなります。でも、だからこそ這い上がってやると思うのです。または子供の頃から他人に馬鹿にされて、いつか偉くなって見返してやると思って野心や野望を持つのです。

 

 そのためにも主人公に悲しい体験をさせて下さい。その体験の結果、野心や野望を持つのです。

 

 例えば両親が借金をしていて、毎日、借金取りが家に現れて家族を脅します。家族が怖がり、心は落ち着きません。そんな辛い体験からお金があれば家が平和になると思い、強くお金を求めるようになります。そんな時に同級生が金を持っていて高価なゲームを見せびらかしたりします。それを見て、自分の境遇を嘆き、絶対に人生で成功してやると野望を抱くとか。

 こんな感じで「野心や野望を持つ」を作って下さい。

 

 例えば魚屋の息子を例に挙げれば、主人公は新聞配達で稼いだ金を使って、投資や株をするようになりました。毎日、ラジオや新聞を読んで投資先がどうかとか、今後、どの株が上がるかを学びます。そして雑誌に載っているお勧めの株を買いました。ところがこの株が暴落して新聞配達で稼いだ金を全て失います。そんな時、TVを見ていると株で億を稼いだ人が出ていて、その人が幸せそうに語っているのを見て、自分の境遇とくらべて悔しくて泣き出します。そしていつかあの人を抜くぐらい稼いでやる。どんなことをしてでも稼いでやると誓うのでした。

 

 こんな感じで「野心や野望を持つ」を作って下さい。

 

 また『成金型』は野心や野望を持つことで、必然的に古参の勢力と主人公のような新参の勢力との対立が起こります。そして主人公の新参が古参を倒してその上に立ち、野心や野望を叶えるのです。それが『成金型』の基本のストーリーになります。

 

参考までに野心や野望の一覧を載せておきます。野心や野望の作品の発想に使って下さい。

 

○野心や野望の一覧

 

 お金を得たい 

 仕事で成功したい

 異性を得たい

 地位を得たい

 良い服を着たい

 良い家に住みたい

 良い食べ物を食べたい

 他人より上に行きたい

 他人をこき使いたい

 他人から尊敬されたい

 賞を得たい

 実績を得たい

 複数の異性にモテたい

 不動産を得たい

 遊んで暮らしたい

 役職に就きたい

 資格を得たい

 家族を得たい

 子供を得たい

 何か貴重品を得たい

 他人と仲良くなりたい

 他人から愛されたい

 結婚をしたい

 恋愛をしたい

 会社を成功させたい

 万引きをしたい

 出世したい

 社長になりたい

 会長になりたい

 

 王道:五,自分の生き方を相談できる人を決める。

 

 自分の生き方を相談できる人を決めるとは、主人公を一角の人物にするために導く人を決めることです。

 

 主人公のように、その仕事をまだよくわかっていない人物を成功させるためには、その仕事を深く理解していて間違った方に進むときは注意をしてくれ、良い方向に進むときは応援してくれる人が必要です。その人から薫陶を受けることで主人公は世界が広がり、こういう生き方ができるのだと実感します。

 

 では実際に「自分の生き方を相談できる人」を決めてみましょう。

 

 相談できる人は主人公と真逆な人物が良いでしょう。例えば主人公が田舎者なら真逆で、都会育ちでインテリな人物とか。主人公が喧嘩っ早くて威勢の良い人なら、相談できる人は、物静かで感情に振り回されない人とか。

 

主人公とは真逆な人物にすることで、主人公とは違った考え方があることがわかり、主人公の見識が広がります。それは主人公の器を大きくするために必要なことです。主人公の幼い時から作り上げられた凝り固まった常識を打ち砕くような人を作りましょう。

 

 例えば戦国時代に商人として生きていたのが、あるきっかけで武将になり、商人で培った計算高い考えでのし上がっていくのですが、相談できる人から武将として成功するにはただ、合戦に強いとか、内政に上手いだけでなく、都の公家と縁をつなぎ評判を良くしないといけないと忠告されて見識が広がるとか。

 

 こんな感じで「自分の生き方を相談できる人」を作って下さい。

 

 ポイントはその人の忠告により世界が広がるということです。主人公の野心や野望を叶えるためには現在のような狭い世界観では無理なので、それを広げるような忠告ができる人を設定しましょう。その忠告を受けることで、こんな考え方もあるのかと自分の常識が壊され、もっと大きな視点から仕事をするようになります。すると必然的に成功する流れに乗れるでしょう。

 

 こんな感じで「自分の生き方を相談できる人」を作って下さい。

 

 魚屋の息子の例を挙げてみましょう。株で大損した主人公は一度、株の勉強をしようとあるセミナーに通います。そこで講師の人が、株の買い方として、その会社は日本を良い国にするのに貢献できるかどうかで考えてみて下さいと言います。目先の損得ではなく、日本をよりよい国にするために仕事をしているかどうかで判断するのがいいと言うのです。主人公は、頭をがんと殴られた気持ちになります。それまでは業績が良いとか、人気があるとか、そういう視点で株を買っていたのがその講師の発言を聞いて、自分は狭い考えで株をしていたことを実感します。そしてその講師のことをもっと知りたいと思い、積極的にその講師が出している本やセミナーにお金を使うようになりました。その後、その講師に顔を覚えてもらい、少しずつ親しくなり助言を受けるようになりました。

 

 こんな感じで「自分の生き方を相談できる人」を作って下さい。

 

 

参考までに「自分の生き方を相談できる人」の一覧を載せておきます。作品の発想に使って下さい。

 

○「自分の生き方を相談できる人」の一覧

 

主人公とは真逆で都会育ちのインテリな人物。

主人公とは真逆で物静かで感情に振り回されない人物。

主人公とは真逆で経験豊富な人物。

主人公とは真逆で美しい妻がいる人物。

主人公とは真逆で有力な人脈やコネがある人物。

主人公とは真逆で留学経験のある人物。

主人公とは真逆で資産家の生まれの人物。

主人公とは真逆で田舎者だが大地主の人物。

主人公とは真逆で豊富な知識があり情報通で先見の明がある人物。

主人公とは真逆で規律を重んじる人物。

主人公とは真逆ですぐに喧嘩をする人物。

主人公とは真逆で山にこもって芸術制作に没頭する人物。 

 主人公とは真逆で多くの人と出会い、自分で芸術品を作り商魂もあってそれを売って儲ける人物。

 主人公とは真逆で器の小さい人物。

 主人公とは真逆で宗教家。

 

 王道:六,陰陽で人間的な器を大きくするを決める。

 

 陰陽で人間的な器を大きくするとは、縮小と拡大を繰り返しながら主人公の器を大きくしていくことです。

 

 人生は陰陽のように縮小と拡大で動いています。例えば経済で言えば不景気と好景気を繰り返すとか。陰で景気が下降気味になり、どんどん下がりついに底につくと今度は上がり始め、普通の状態に持ち直し、ここから陽の景気に入り、さらに景気は上がり続け、ついに頂点に達するとそこから徐々に下降していきます。

 

 人生もこれと同じで悪い時期と良い時期があります。一角の人物になるにはこの陰陽で成長させましょう。

 

 例えば陰の時には問題が起こります。仕事でミスをしたとか、利益が減ったとか、プロジェクトが失敗に終わったとか不祥事が起きたとか。陰の時は自分を見直す時期です。失敗を反省し自分の肥やしにします。

 

 逆に陽の時は成功します。例えば仕事が上手くいって出世するとか、開発した商品が馬鹿売れするとか、ツイていることが起きるとか。拡大することで収入も増えて扱うお金も増えていきます。一万円から十万円を普通に扱うようになり、さらに単位が上がって、百万円、一千万円をポンと使うようになります。そうやって扱うお金が増えて人間的な器を大きくしていきます。

 

考え方も変わります。より大きな仕事をするにはどうするか、目先の損得ではなくもっと大きな視点で会社の経営を考えるようになります。例えば自分の仕事は自然環境に配慮しているか、社員は人間的に成長しているかとか。そういう風に変わっていきます。

 

 縮小のときは小さく行って失敗を反省し、拡大のときは大きく勝負をする。縮小と拡大を繰り返しながら人間的な器を大きくします。

 

 では実際に「陰陽で人間的な器を大きくする」を決めてみましょう。

 

 陰の時期に起こることの一覧を出すと、仕事で失敗する、恋人にフラれる、お金を落とす、お金を盗まれる、同僚や上司から八つ当たりを受ける、濡れ衣を着せられる、収入が減る、自信をなくす、車などで事故を起こす、家族喧嘩が絶えない、会社が倒産する、物事の視点が低くなる、小さな視点で仕事を考えるようになる、使えるお金が減る、などです。

 

 陽の時期に起こることの一覧を出すと、仕事で成功する、収入が増える、扱うお金の単位が上がる、株で儲ける、物事の視点が高くなる、もっと大きな視点で仕事を考えるようになる、恋人が出来る、出世する、羽振りが良くなる、会社を大きくする、などです。

 

 こんな感じで「陰陽で人間的な器を大きくする」を作って下さい。

 

 魚屋の息子の例を挙げてみましょう。親しくなった株の講師の人から学び、株を続けました。そんな時、自分の調子で株の収入が増えたり減ったりすることがあることに気付きました。そしてそれを利用して株を買うようにします。自分の調子を観察し、ツイているときは、ハイリスクハイリターンな株を買って勝負をし、自分の調子が下がってきていると思う時は、この株が下がると日本が傾くと思えるような手堅い株に変えます。そうやって、自分の調子を基準にして株を買うようになり、収入が増えて扱う金額の桁も増えていきました。

 

 こんな感じで「陰陽で人間的な器を大きくする」を作って下さい。

 

 まとめとして「陰で起きること」「陽で起きること」の一覧を載せておきます。作品の発想に使って下さい。

 

○「陰で起きること」の一覧

 

 仕事で失敗する。

恋人にフラれる。

お金を落とす。

犯罪に巻き込まれる。

不倫や脱税などをしていた場合、公になる。

お金を盗まれる。

同僚や上司から八つ当たりを受ける。

濡れ衣を着せられる。

収入が減る。

自信をなくす。

車などで事故を起こす。

家族喧嘩が絶えない。

会社が倒産する。

物事の視点が低くなる。

小さな視点で仕事を考えるようになる。

使えるお金が減る。

 

○「陽で起きること」の一覧

 

仕事で成功する

収入が増える

新商品が当たる

扱うお金の単位が上がる

株で儲ける

物事の視点が高くなる

もっと大きな視点で仕事を考えるようになる

恋人が出来る

結婚する

出世する

羽振りが良くなる

会社を大きくする

 

三幕構成で『成金型』を解説する

 

 『成金型』をさらに細かく知るために構成の基本である三幕構成を用いて物語を解説していきます。前出の『この物語の作り方』と重複する部分がありますが、それだけ重要な部分ですので、理解して下さい。『成金型』の作品を作る場合の参考にして下さい。

 

王道:第一幕:勝って負けて学ぶ

 

 『成金型』の冒頭では少年である主人公の説明を入れながらプロローグとして主人公が貧しい生まれだとか、愛嬌があるところとか、特技や才能の片鱗を見せていきます。また真逆な存在として古参の勢力についても説明を入れていくといいでしょう。

 

 例えばお金がなくてぼろぼろの家に住んでいるとか、貧しくて駄菓子屋で菓子を買うことができないので帰り道の山道を歩きながら野生の野いちごやアケビ、ザクロを取って食べるとか。そしてどこにどういう果物が生えているか、驚くほど詳しく、そしていつ育つか、いつが食べ頃かを詳しく記憶していて、特技や才能として片鱗を見せます。

 

 または駄菓子屋で友達にお金を借りてくじを引いて大きなものを当て、友達にお金を返します。この時、特技として天才的な記憶力があり、今までの当たりの数を覚えていて、どのくじを引くと当たる確率が高いかを見抜くとか、外れても愛嬌を見せて友達から許されるとか、そういう形でプロローグとして主人公の説明をしていきます。

 

 主人公は貧しい生まれでも欲しい物を得るために知恵を使ったり、才能を発揮したりしてお金を稼ぎます。

 

 主人公の地元には古参の勢力があります。主人公にとって手の届かない存在であり、誰もが敬う人たちです。主人公は頭が上がらず、彼らから話しかけられると固くなってしまいます。そんな存在がいます。

 

 そんな風に過ごすうちに主人公は青年になります。ところが、大きなしくじりや親の都合から家を出ることになり都会に出ます。そこで小僧として働き始めるのですが、同じ職場の小僧が財布にじゃらじゃらお金を持っているのを見て、都会の人は金があるのだと驚きます。

 

 また、都会の人たちの洗練された格好や金の使い方に影響を受けます。田舎者であった主人公は自分もそんな風に金を稼げないのだろうかと思います。

 

 あらかた仕事を覚えた頃、自分は一生をかけてどんな仕事をするのがいいのだろうかと考えます。それで、職場に出入りしていたインテリのお金持ちの人に相談をします。

 

 自分みたいに貧しい生まれで学もない人でもあなたみたいなお金持ちになれるかと聞くと、その人は笑いながら、貧しくてもお金持ちになった人はたくさんいると言います。そして笑いながらきっと向いた仕事が見つかると忠告してくれます。それでも主人公は迷います。

 

 そんな時、休みの日に街をぶらついていると上級国民の夫婦を見かけます。高級車から降りるその姿がとても垢抜けていて洗練されているのを見て、自分の境遇と比較して不公平に感じます。

 

 金があっていくらでも菓子が買えて村の人から敬われる人がいると思えば自分のように幼い頃、満足に駄菓子を買うことができず友達に頼るような境遇もいる。世の中は不公平だと。そして腹が立ち、決心します。

 

 金を稼いでやる。あの上級国民以上に金を稼いでやると。主人公は今よりもさらに仕事に打ち込み、金を貯めて儲かる仕事はないかと考えます。

 

 例えば株屋であるとか、保険の外交員とか、儲けの大きい仕事を考えます。または自分を気に入っている人に頼んで役人などに推薦してもらったりします。

 

 金を稼ぐという野望を叶えるためとりあえず小僧を辞めて保険の外交員として勤めました。

 保険の外交員としてどうにか食べていけるようになった頃、先輩からこれをしたほうがいいと忠告を受けます。

 

 それはこれから売れるだろう有望な保険の商品です。

 

 しかし主人公は話半分で聞くのですが、どこか頭の隅に残っています。そしてそれから数ヶ月後に、自分の考えであったように思えて忠告通りに動きます。すると日本の国民全体の所得が増えた時期に重なり、保険に入りたい人が増え、保険の契約がどんどん取れます。そして主人公は保険契約数が全国一位になり、社長から表彰されます。

 

 主人公は稼いだ金で家を買い、湯水のように金を使って遊びます。そんな時、街でまた上級国民の夫婦を見かけます。それを見ていい気になっていた自分が冷めます。上には上がいる、自分はさらに大きくなりたいと思うのです。

 

 そしてまたお金を稼ごうと動き出します。ところが時期が悪く、不景気になり保険の解約が増えて主人公はあっという間にお金を無くします。また、保険の強引な勧誘が問題になり新聞などでニュースとなり、保険の仕事ができなくなります。主人公は実家に逃げ帰ります。

 

 主人公は陰陽の法則で、陽で儲けた金を陰で失ったのです。これも一つの教訓です。陽で儲けたのですが、陽と同じ手法を陰でしたので大損したのです。陰と陽で行動を改めなければいけないことを学んだのでした。

 

王道:第二幕前半:勝ち、また負ける

 

 保険が失敗したことを隠して実家に帰ると、古参の勢力から主人公が都会で保険の会社で一番の成績を取り社長から表彰されたらしいというので、認められます。そして一度顔を見せに来なさいと言われて呼ばれます。古参の連中に会うと子供の頃からの習慣から、頭が上がらず固くなってしまいます。

 古参の連中は主人公にこの地域から成功する者が出るのは良いことだと言って贈り物を渡します。それを大事に持ち帰ります。

 

 その後、実家に身を寄せていると、都会の知り合いから手紙が来てほとぼりが冷めたのでそろそろ帰ってきたらどうかと書いてあり、都会に戻ります。

 

 そして改めて保険の外交員を始めようと思うのですが、相棒が必要だと感じます。前の失敗は自分に冷静に忠告をしてくれる人がいなかったからだと思うからです。

 

 そこで昔の仕事仲間で主人公のことをよくわかっていて、忠告をしてくれる人を引っ張ってきて一緒に外交員になります。

 

 そして仕事を再開し、金を稼いで前に大損したときの借金を全て返します。それにより周りから信頼されるようになり、相棒もいるので仕事は順調です。陰陽で言う陽の拡大の時期にいます。

 

 そんな時、いつも相談に乗って貰っているインテリのお金持ちから助言を受けます。景気が良くなったので今は積極的に動くべきだと言われました。主人公は助言を実行します。好景気になり誰もがお金を持っているのでどんどん保険に入るのでチャンスだと営業に精を出します。

 

 主人公はだんだん自分が研ぎ澄まされていくのを感じます。契約が取れたことに一喜一憂せず、損得を超えたところでお客様のためと思って保険の営業を続けます。

 

 そしてついにまた会社で一番の契約数を取り、表彰されて大もうけをしました。

 

 ところが主人公はまたいい気になりお金を湯水のように使います。夜の街に繰り出し女遊びをします。

 

 そんな生活をしているとき、また街で上級国民の夫婦を見かけます。それは田舎の古参の勢力に似ていて、頭が上がらない存在に思えます。そして彼らに勝つためにさらに金を稼いでやると思うのです。

 

 ところが陽の時期は終わり、陰の時期に入ります。保険の契約が取れず、今度は低下が続きます。そして無理にでも契約を取ろうと相続税対策になると嘘偽りのある保険を売り出しますが、問題になり保険の解約がどんどん増えます。ついに会社が潰れてしまいました。

 

 結局、ここでも陰陽で陰のときに陽の行動をしてしまい失敗したのでした。

 

王道:第二幕後半:他の仕事で癒やされる

 

 そして主人公に最大の試練がやってきます。それは会社が潰れたことでインテリのお金持ちや会社の社長が自殺するとか、または主人公自身が自殺を考えて実行しそうになるとか。

 

 例えば師匠のように思っていたインテリのお金持ちが自殺をした場合、主人公は羅針盤を失います。今までその人の言葉から学び、見識を広げていました。その人のやり方を真似て成功してきた部分もあります。その目標なり師匠としていた人が亡くなったことで、主人公は悲しみに沈み、そして羅針盤を失い、人生の方向性を見失います。この世界にいるのは自分一人だと感じます。それで怖くなります。

 

 また自分自身が自殺を考える場合、どんどんお金を失っていく恐怖を感じてこの苦しみから逃れられるなら死んだほうがましだと思うのです。実際、毒薬を手に入れ飲もうとしたら、相棒に見つかり毒薬を取り上げられ助けられます。そして泣き出します。

 

 主人公は大きな変化を行います。例えばもう保険をきっぱりと辞めて実家の金物屋を継ごうと思うとか、まっとうな仕事をしようと飲食業の修行をするとか。

 

 他人や自分の生死をかけた生き方に嫌気が差してもっと安定した仕事をしたくなります。そこで実家に帰り、金物屋をしますが腕が落ちて続きません。また飲食業の修行をしてもせわしないためついて行けません。安定した仕事というのはこんなに辛いものかと思います。

 

 そんな風に思いながら他の地域に行き、活況のある街を見て山っ気が出てきます。そして人々の姿が前にいた都会に似ていて思い出します。金物屋も飲食業も駄目なら何か別の仕事はできないかと思いながら都会の街を歩いてみて、ヤミ屋の話を聞き、これならできるだろうと思い、ヤミ屋を始めます。

 

 持ち前の記憶力や会話力を活かしてヤミ屋を始めました。それは簡単に儲けが出るので、面白くてしかたがありません。どんどん田舎で品物を買い、都会に持ち込み、ヤミで売るといくらかの蓄財も出来ました。死を考えたことが嘘のように商売が楽しくなります。保険の営業のように生き馬の目を抜くような熾烈な競争はなく、牧歌的で簡単に儲かるのでますます欲が出てきます。死のうと考えたことが馬鹿らしくなり、ますます仕事に精を出します。そして金が入ってくることで自分の師匠が亡くなったことの痛みが和らぎ、少しずつ癒やされていきます。怖さに負けなくなりました。

 

王道:第三幕 勝つ

 

 日本は好景気になり、それが崩壊し不景気になりました。好景気のときに巨額の投資をしていた主人公の地元の古参たちは大損をして瀕してしまいました。

 

 主人公はそんな古参を援助します。そして都会に戻り、いよいよまた保険の仕事を始めます。ヤミ屋で学んだ先を見越して考える力を使い、これから伸びそうな会社を徹底的に調べて、そこに営業をして契約を取りました。

 

 これはヤミ屋をしていたことで信用できるかどうか見通す力が養われたからでした。どこにお金があるか、お金を持っていそうな地域を見つけることで保険に入りやすい人がわかり、保険に入る人がどんどん増えます。

 

 古参の連中は主人公に頼るようになり、主人公は経営の仕方や残った家の処分などで忠告をします。そして今まで自分が固くなっていた人物から頭を下げられて勝利を感じます。幼い頃に天の人だと思っていた古参に勝ったのでした。それは上級国民にも勝ったように思うのでした。

 

 その後、主人公は保険で大もうけをし、一角の人物として認められてそのまま亡くなりました。

 

 王道の『成金型』のストーリーの解説はこれで終わります。

 

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