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電子書籍『キャラクターの作り方 物語を作るための基礎の基礎 その1 質問表から作るキャラクター構築法について』

2022/05/16
 
この記事を書いている人 - WRITER -
 私はKindle作家の浅岡家山といいます!  このブログでは『やさしさ』や『物語技法』『Kindle本』などの皆様に役立つ知恵を、色々な形で発信していきます。
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※現在、この本をよりよくするために改稿していて、販売を休止しています。改稿が済み次第、販売を再開しますので申し訳ありませんが、それまでお待ち下さい。

このブログ記事では電子書籍『キャラクターの作り方』の内容について解説します。

この電子書籍はキャラクターの作り方について解説した本です。

 この本ではキャラクターについて基本となる二つの性格を決めて三幕構成にどのように影響するか解説します。

 また質問表に答えながらキャラクターを作ります

以下にこの電子書籍のサンプルを載せますのでお読みください。

 

目次

『キャラクターの作り方 物語を作るための基礎の基礎 その1 質問表から作るキャラクター構築法について』

                      浅岡家山

著作権は作者である浅岡家山に帰属しています。

本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信することを禁じます。 また、本作品の内容を無断で改変、改ざん等を行なうことや本作品を転売することを固く禁じます。

 

はじめに

 

この本の対象読者

 

この本は以下の対象読者に向けて綴られています。

 

○キャラクターを作りたいがどうやって作ったらいいか悩んでいる人。

○どうしたらキャラを立たせることができるか困っている人。

○キャラクターの特徴をどうやって見せていったらいいか困っている人。

 

この本を書く動機

 

 この本は『キャラクターの作り方 物語を作るための基礎の基礎 その1』の本です。今作は『その1』に当たり、特にキャラクターの作り方について解説しています。『その2』ではストーリーの作り方、『その3』では世界観の作り方を解説します。

 

 この本ではキャラクターについて巻末の付録から基本となる二つの性格を決めてそれがどのように物語の三幕構成に出るかを解説します。また質問表を答えながらキャラクターを作り、細部を決めます。巻末の付録では親の影響からの性格、生まれながらの性格、人生を送るうちに身についた成功体験・失敗体験を解説します。

 

 この電子書籍が皆様の益になりましたら幸いです。

 2022年 2月 6日 浅岡家山

電子書籍『キャラクターの作り方』の目次


はじめに
この本の対象読者
この本を書く動機

○キャラクターの作り方について

★まず物語のテーマを考える。
テーマを作る質問
テーマに合う登場人物とは
発想法でテーマを深堀りする


★四つの発想法を使ってテーマを深掘りする
属性列挙法とロジックツリーとオズボーンのチェックリスト法で発想する。
○属性列挙法とは
○ロジックツリーとは
○オズボーン・チェックリスト法とは
○発想法「視点の入れ替え」とは


★キャラクターの基本性格について
二つの性格を選ぶ
感情の抑圧について
脱線、キャラを立てる方法について


★四つの発想法を使って性格からエピソードを作る
属性列挙法とロジックツリーとオズボーンのチェックリスト法で発想する。
逆発想法で発想する


★三幕構成の説明
一,三幕構成の第一幕の解説
二,三幕構成の第二幕前半の解説
三,三幕構成の第二幕後半の解説
四,三幕構成の第三幕の解説


★キャラクターを作るための質問表
基本の質問
登場人物の過去についての質問
登場人物の現在についての質問
登場人物の未来についての質問


終わりに
参考文献
○おくづけ


★付録:形成される性格について
○両親からどういう影響を受けると子供はどういう性格に育つか


★親の影響から育まれた肯定的な性格
一,口やかましい家庭に育つと完璧癖になる
二,学者の家庭に育つと合理的な性格になる
三,努力して成功する姿を力添えしてくれる両親のもとで育つと真面目に育つ
四,上級国民に育つと品があるようになる
五,ユーモアのある家庭に育つと冗談を言うようになる
六,流れのまま愉快なことを受け入れる家庭に育つとゆったりした人になる
七,感情を抑えることを良しとする家庭に育つとおとなしく育つ
八,過保護で愛情を込めて育つとお人好しに育つ
九,冒険に満ちた家庭に育つと積極的に育つ
十,既存のものにとらわれず探求し、表現するような家庭に育つと前衛的に育つ
十一,支援して、好きなことをさせてくれる家庭に育つとはつらつになる
十二,感謝することを大切にする家庭に育つと感謝するようになる
十三,両親から寛大でいるように育てられると寛大に育つ
十四,自衛隊員や軍国主義者の家庭に育つと愛国精神の性格になる
十五,愛とおもいやりの大切さを学ぶと同感力が高く育つ
十六,困っているときに助けてくれる家庭に育つと助け合うことを身につける
十七,愛のある家庭に育つと心寄せたり、親切な性格になったりする
十八,よく世話をする創造的な家庭に育つと創造的に育つ
十九,人道や誠実さを大切にする家庭にいると尊く育つ
二十,能力のある両親の元で育つと腰が低くなる
二十一,敬虔な家庭に育つと健やかになる
二十二,両親に深く思考するよう育てられると利口になる
二十三,両親が節約家だと質素に育つ
二十四,両親が主人公よりも他の兄弟姉妹を贔屓する家庭に育つと主人公は公平に考えるように育つ
二十五,自分の先祖に敬意を持って育てられると伝統的に育つ
二十六,愛があり肯定的な家庭に育つと自分を信頼するように育つ
二十七,環境保護活動家の家庭に育つと自然を愛するように育つ
二十八,権力に従うことを教えられて育つと敬服に育つ
二十九,転居の多い家庭に育つと順応になる
三十,家族の多い家庭に育つとそつがないように育つ
三十一,幸せを求めるように育てられるとぶれなく育つ
三十二,溺愛する家庭に育つと大事をとるようになる
三十三,神仏を敬う家庭に育つと霊的に育つ
三十四,世間や他人を重んずるように育つとモラルが強くなるように育つ
三十五,兄弟姉妹の面倒を見て育つと使命感が強く育つ
三十六,準備万端な家庭に育つと能動的に育つ
三十七,家族の仲が良いと着飾る必要がなく、ぼくとつに育つ
三十八,幼少期に学習を見てもらえる家庭に育つと賢明になる
三十九,厳しい両親に育てられると解放されることを望み、無邪気に育つ
四十,注目を受けて育つとつつましく育つ
四十一,広い心を持つ家庭で育つと度量が大きく育つ
四十二,因果関係を理解するように両親に促されて育つと解析家に育つ
四十三,小さい頃から新しいことにチャレンジするように後押しされて育つとアドベンチャーに育つ
四十四,大家族に育つと接待上手に育つ
四十五,はっきりとした見通しを持つ家庭に育つと夢を持つ人に育つ
四十六,丁重であることを美徳とする家庭に育つと行儀良く育つ


★親の影響から育まれた否定的な性格
一,虐待を受けて育つと無慈悲、悪質、臆病者、凶悪、嘘つき、防御的、乱暴、冷血に育つ
二,ひどく甘やかされて育つと甘えん坊、強情、ナルシスト、散財家に育つ
三,親があまり注意をせず自由にしたまま育つと粗野に育つ
四,条件付きの愛で育てられると他人を操るのが得意に育つ
五,しっかりしていない親に育てられると適当に育つ
六,親が思い上がって子供を育てると弱虫に育つ
七,悪口を言う親に育てられると懐疑的に育つ
八,ネグレストをされて育つと依存的になる
九,くまなく関わろうとする家庭に育つとおしゃべりに育つ
十,意気地なしや攻撃されていると思い込む家庭に育つと怖がりに育つ
十一,古い習わしを持つ人に育てられると性を強調して育つ
十二,資産家で裕福に育つと恵みを知らずに育つ
十三,礼節を学ばないまま育つと失礼に育つ
十四,心を開かない家庭に育つと無口に育つ
十五,情け容赦ない家庭に育つと偽りをするように育つ
十六,家族がバラバラに行動する家庭に育てられると気分に振り回されるように育つ
十七,笑顔や喜びのない真面目すぎる家庭に育つと堅物に育つ
十八,人を見下す家族に育てられると横柄に育つ
十九,詳細に注意される家庭で育つと偏執に育つ
二十,高すぎる希望を持つ家庭に育つと仕事依存症に育つ
二十一,他人を敬わない家庭に育つと無礼に育つ
二十二,従属的な家庭で育つと決断できない性格に育つ
二十三,容赦ない倫理的な家庭に育つと辛辣に育つ
二十四,働かなくていい家庭に育つと道楽息子に育つ
二十五,罪を犯す人がいる家庭に育つと邪に育つ
二十六,毒舌や過ちに満ちた家庭に育つと毒舌家に育つ
二十七,近親者の病気や死が身近にある家庭に育つと不健康に育つ
二十八,強く非難する家庭に育つと心配性に育つ
二十九,心よりも物を重視する家庭に育つと物質を重視するように育つ
三十,強い先入観がある家庭に育つと色眼鏡で見るように育つ
三十一,荒っぽい言葉を使う家庭に育つとおかまいなしに育つ
三十二,契約を守らない家庭に育つといい加減に育つ
三十三,TV、ネット、新聞のない家庭に育つと無教養に育つ
三十四,俗説を信じる家庭に育つと俗説を正しいと思うように育つ
三十五,両親が兄弟姉妹に対して肩入れする家庭で育つと自分を押し殺すように育つ


★先天的な肯定的な性格
一,穏健
二,外向型
三,はつらつ
四,感覚派
五,直感派
六,感情派
七,健康的
八,興味津々
九,そつがない
十,想像逞しい
十一,肝が据わる
十二,賢い
十三,偉才
十四,内向型
十五,チャーミング
十六,親切
十七,弁が立つ


★先天的な否定的な性格
一,適当
二,中毒
三,強迫意識がある
四,愚か
五,腹黒い
六,凶暴
七,野蛮
八,軽率
九,内気
十,無鉄砲
十一,無関心


★成功体験による肯定的な性格と失敗体験による否定的な性格について
一,発声についての成功体験
二,発声についての失敗体験
三,いじめに遭うの成功体験
四,いじめに遭うの失敗体験
五,勉強での成功体験
六,勉強での失敗体験
七,体や容姿についての成功体験
八,体や容姿についての失敗体験
九,他人との付き合い方の成功体験
十,他人との付き合い方の失敗体験
十一,病気についての成功体験
十二,病気についての失敗体験
十三,兄弟姉妹についての成功体験
十四,兄弟姉妹についての失敗体験
十五,恋愛についての成功体験
十六,恋愛についての失敗体験
十七,他人から裏切られたことについての成功体験
十八,他人から裏切られたことについての失敗体験
十九,自分が養子である成功体験
二十,自分が養子である失敗体験
二十一、周りに合わせる成功体験
二十二、周りに合わせる失敗体験
二十三,冤罪の成功体験
二十四,冤罪の失敗体験
二十五,炎上の成功体験
二十六,炎上の失敗体験
二十七,子供と離ればなれになる成功体験
二十八,子供と離ればなれになる失敗体験
二十九,人の命を救うの成功体験
三十,人の命を救うの失敗体験
三十一,解雇されることの成功体験
三十二,解雇されることの失敗体験

電子書籍『キャラクターの作り方』の本文を載せます。

○キャラクターの作り方について

 

キャラクターを作るために一通りの手順を提案します。そのためにキャラクターを作る方法を解説していきます。まず物語のテーマを決めて、それに合う主人公の肯定的と否定的な性格を選び、次に発想法でエピソードを考え、最後に質問表から詳しくキャラクターを作ります。ではまずテーマについて解説します。

 

★まず物語のテーマを考える。

 

 キャラクターを作るのにテーマは重要です。それは登場人物はテーマを体現するからです。登場人物が物語の中で活躍したり問題に立ち向かったりするストーリーの根本がテーマに関わるからです。登場人物が物語の中で困難な目に遭いながらそれを乗り越えて成長するストーリーの根幹がテーマになります。

 

テーマは自分が世間に訴えたいことや言いたいこと、語りたいこと、今、困っていること、問題になっていることでいいと思います。それを20文字以内で作ります。例えば「王様は皆のことを考えないといけない」「正直者は報われる」「他人を傷つける人はいつか傷つけられる」など。後述のテーマの質問に答えてテーマを決めます。

 

それではテーマを作る質問をしますので答えて下さい。

 

 テーマを作る質問

 

 テーマを作るために以下の質問に答えて下さい。

 

他人に言いたいことはありますか? 何か困った問題を抱えていて訴えたいことはありますか? どういう問題ですか?  その問題について考えるとどういう気持になりますか? 何を訴えたいですか? どう思いますか? 

 

人生を送っているうちに気づいたことはありますか? 自分なりの人生哲学や考えはありますか? それは何ですか?

 

抽象的なものでいいので、気づいたこと、悟ったことはテーマになります。何に気づきましたか? どういうテーマで物語を作りたいですか? 読者や社会に訴えたいことは何ですか? 不満や問題はありますか? 

 

テーマを発想するのに役立つ諸問題を列挙しますので参考にして下さい。

 

 ごみ問題、いじめ問題、南北統一問題、半島統一問題、時事問題、外交問題、クルド人問題、社会問題、労使問題、エネルギー安保問題、労働問題、補償問題、賠償問題、孤児問題、人種差別問題、債務問題、勤務問題、少子化問題、貿易自由化問題、貧困問題、領土問題、男女問題、医学問題、教科書検定問題、公害問題、特許侵害問題、格差問題、世代間格差問題、都市問題、健康問題、家庭問題、虐待問題、恋愛問題、マケドニア問題、ユーザビリティ問題、ポスドク問題、キプロス問題、薬害エイズ問題、アスベスト問題、チベット問題、ニート問題、クルド問題、パレスチナ問題、アイヌ問題、エルサレム問題、西サハラ問題、スキャンダル問題、ギャンブル問題、ダルフール問題、カシミール問題、スーダン問題、レバノン問題、マンション問題、サブプライムローン問題、ジェンダー問題、内政問題、国政問題、食糧問題、家族問題、民族問題、農村問題、養育権問題、難民問題、買い物難民問題、浮気問題、政治問題、経済問題、喫煙問題、後継問題、遺産相続問題、消費者問題、高齢者問題、八百長問題、食糧難問題、国際問題。

 

また名言をテーマにするといいでしょう。古今東西の名言から自分なりのテーマを想起して下さい。

 

 

テーマに合う登場人物とは

 

登場人物はテーマを体現します。例えばテーマが「王様は皆のことを考えないといけない」なら主人公である王様はまずテーマの反対の位置にいます。つまり「王様は皆のことを考えない」人物にします。例えばわがままで、自分のしたいことをして皆のことをまったく考えない王様とか。国民を蔑ろにして酒池肉林に耽る王様とか。そんな王様に問題が起こります。他の国から攻撃を受けるとか革命が起きるとか。王様は逃げることが出来ず、それを解決しなければいけなくなります。

 

王様は苦労をしながら問題に立ち向かいます。問題を乗り越えるためには「王様は皆のことを考えないといけない」が必要だとわかります。そして王様は自らを変えていき成長して、最後に問題を解決させます。つまり「王様は皆のことを考えないといけない」という王様に変わるのでした。

 

テーマを体現した王様は物語の中でその問題を解決することでテーマを読者に伝えるのでした。

 

 こんな感じでテーマを体現した登場人物を作るにはテーマと真逆な性格の人物を設定してそこからテーマに沿うようなストーリーを作るのがいいでしょう。

 

発想法でテーマを深堀りする

 

 テーマと登場人物が決まりましたらそれを深掘りしましょう。テーマはそのままでは予想の範囲内に収まってしまい、意外性に乏しくなります。既視感がありますね。そこで四つの発想法を使って深掘りして新鮮味を加えます。発想法で自分が驚くようなテーマが出てきたら成功です。自分を驚かせるテーマは他者も驚かせることが出来るからです。自分を裏切るようなテーマを見つけましょう。

 

 ★四つの発想法を使ってテーマを深掘りする

 

属性列挙法とロジックツリーとオズボーンのチェックリスト法で発想する。

 

 まず三つの発想法を使ってテーマを深掘りします。それにはまず属性列挙法の説明を本から引用します。以下のとおりです。

 

 ○属性列挙法とは

 

 ”属性列挙法とは、アイデアを考える前に、まずその対象となる課題の属性(性格や特徴)をすべて列挙し、そのそれぞれを検討しながらアイデアを発想しようという方法です”

 

引用文献 星野匡(1989)『発想法入門』日経文庫p45

 

 例えばテーマ「王様は皆のことを考えないといけない」について発想します。

「王様は皆のことを考えないといけない」の属性といえば「王様は皆のことを考えない」「わがまま」「臣下を蔑ろにする」「自分のしたいことだけする」「思いやりがない」「国民を軽く見ている」「酒池肉林に耽る」「国民が革命を起こす行動をする」「他国から攻められる」などなど、「王様は皆のことを考えないといけない」の属性とは何か? と考えればどんどん出てきます。

 

 属性と考えると難しいかもしれませんが、これは何か? と考えて思い浮かぶものをどんどん挙げていけばいいです。

 

 また一つ出た発想をそこからまた発想するのもいいでしょう。「わがまま」から同じ言葉の種類として「自分本位」「傲慢」などが思い浮かぶでしょう。また「国民を軽く見ている」から、さらに内容を具体的にして「国民の生活を考えずに税金を上げる」とか「国民の生活を考えずにインフラを整備しない」などが出ますね。そうやって一つ出た属性を、同じ種類のものは何かとか、より具体的なものは何かと考えてどんどん出しましょう。

 

 次にロジックツリーについて解説します。

 

○ロジックツリーとは

 

 ロジックツリーとは問題や解決の候補や要素を分割していき、網羅的に列挙し、ツリー状に描く技法です。

 

参考文献 読書猿(2017)『問題解決大全』フォレスト出版p086、087

 

 ロジックツリーの手順は、

 1,物語の要素を出発点として図の左端に書く。

 2,要素を具体的に分解していき右端へ向かって書いていく。

 3,全ての要素を分解し、漏れなく網羅する。

 4,完成

 

 例えば図1のように「ペット」を左から右へ具体的にその要素を分解していくことで網羅することができます。(図1参照)  

 

前記した「王様は皆のことを考えないといけない」なら図2になります。

 図1や図2はXmindのソフトを使って作りました。このソフトは無料版でも十分役に立ちますのでよければネットで「Xmind」で検索してダウンロードして使ってみて下さい。マインドマップという発想法がメインのソフトですが、ロジックツリーも行えます。

 

ロジックツリーによって属性を網羅することが出来ました。次に出てきた属性一つ一についてオズボーン・チェックリスト法を使って発想をします。

 

 ○オズボーン・チェックリスト法とは

 

 この発想法の解説を本から引用します。以下のとおりです。

 

 ”オズボーン・チェックリスト法とは、様々な観点を一覧表にしておいて、次々と当てはめながら発想し、強制的にアイデアを広げていきます。このようなリストに従って次々に切り口を変えて発想する方法を、チェックリスト法と呼びます。オズボーンのリストは、彼の著書から発想の切り口をピック・アップして、M.I.Tクリエイディブ・エンジニアリング・ラボラトリーズが、九項目にまとめたものです”

 

 引用文献 星野匡(1989)『発想法入門』日経文庫p130、133、134

 

 オズボーン・チェックリスト法のチェックリストは以下のとおりです。

 

 一,他への転用は? 

 

   新しい使い方は? 他の分野で使えないか?

 

 二,他のものへの応用は?

 

   これと似たものは他にないか? 他のアイデアを使えないか? 過去にこれと似たものはなかったか? コピーできるものはないか? 真似のできるものはないか?

 

 三,変更したら?

 

   色を、動きを、音を、匂いを、形を、変えられないか? 他の形ではどうか? 新しい変更法は?

 

 四,拡大したら?

 

   何か足せないか? 時間を延ばせないか? 頻度を増やせないか? 強くできないか? 高くできないか? 長くできないか? 価値を追加できないか? 内容を追加できないか? 数を増やせないか? 重ねられないか? 誇張できないか?

 

 五,縮小したら?

 

   何か取り除けないか? 小さくできないか? 濃縮できないか? 低くできないか? 短くできないか? 軽くできないか? 細くできないか? 分割できないか?

 

 六,代用したら?

 

   誰か他の者で代われないか? 何か他のもので代われないか? 他の中身にできないか? 他のプロセスにできないか? 他の場所でできないか? 他のアプローチでできないか?

 

 七,再配列・アレンジしたら?

 

   部分を入れ替えられないか? 他のパターンでできないか? 他のレイアウトでできないか? 他の並び方でできないか? 原因と結果を逆転できないか? ペースを変えられないか? スケジュールを変えられないか?

 

 八,逆転したら?

 

   反対のものはどうか? 前後を入れ替えられないか? 上下を入れ替えられないか? 役割を逆転できないか? プラスとマイナスを入れ替えたら?

 

 九,結合させたら?

 

   混ぜ合わせたらどうか? ユニットを組み合わせたら? 目的を組み合わせたら? 手段を組み合わせたら? 売り(アピール)を組み合わせたら? アイデアを組み合わせたら?

 

 引用文献 読書猿(2017)『アイデア大全』フォレスト出版p164、166

 

「王様は皆のことを考えないといけない」の属性といえば「王様は皆のことを考えない」「わがまま」「自分本位」「傲慢」「臣下を蔑ろにする」「自分のしたいことだけする」「思いやりがない」「国民を軽く見ている」「国民の生活を考えずに税金を上げる」とか「国民の生活を考えずにインフラを整備しない」「酒池肉林に耽る」「国民が革命を起こす行動をする」「他国から攻められる」などでした。 

 

 これらをオズボーン・チェックリストで発想をします。

 

 例えば「六,代用したら? 誰か他の者で代われないか?」でチェックして発想をします。

 

 例えば「王様が国民になり、国民が王様になる」とか「王様が自ら革命を起こす」とか色々出てきます。

 

 他にも「八,逆転したら? 反対のものはどうか?」で「王様が酒池肉林に耽るのをやめて勤勉になり国民に尽くすが変わるのが遅すぎたため結局、国民から嫌われる」なんてのも浮かびますね。

 

 こんな感じで属性をチェックリストから発想してみるのがコツです。

 

 この三つの発想法を使ってテーマを深掘りして驚くような発想をして下さい。またもう一つの発想法を紹介します。

○発想法「視点の入れ替え」とは

 

 視点の入れ替えとは既にある物語で主人公以外の人物の視点から物語を作り新奇性を見つける方法です。

 

 例えば映画『ジョーカー』(ネタバレ含みます)では映画『バットマン』の敵役だったジョーカーがどのような過去により殺人者として堕ちていったのかが、ジョーカーの視点で描かれています。

 

 映画ではジョーカーは初めから殺人者だったわけではなく、親からネグレストなどの虐待を受け、周りの人間に裏切られ苦しみの末に殺人者になったことが描かれています。

 

 このように既にある物語を主人公以外の視点から考えて新奇性を見つける方法が視点の入れ替えです。

 

『ジョーカー』は映画『バッドマン』の敵役であるジョーカーを主人公にすることで何故悪の道に進んだのか、どのようにジョーカーになったのかという歴史を解明していくことで新鮮味を出すことに成功した作品です。この発想は視点の入れ替えを使用することで見つけることができると思います。こういう発想からできている作品として映画『ジョーカー』は参考になると思います。ぜひ一度、見てみて下さい。ついでに『バッドマン』も見ると、視点の入れ替えの参考になるでしょう。

 

参考文献 トッド・フィリップス(2020)ジョーカー ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

 

 テーマを視点の入れ替えで発想します。例えばテーマ「王様は皆のことを考えないといけない」なら、主人公を国民にして国民の視点から物語を作るのがいいでしょう。国民の視点で「王様は皆のことを考えないといけない」の物語を作れます。また、王様の家来を主人公にして、家来の視点から物語を作るのもいいでしょう。視点を変えるだけで新鮮味のある物語を作ることが出来ます。

 

 これらの四つの発想法からテーマを深掘りして下さい。

テーマが深掘りしましたら、次に詳しくキャラクターを作ります。それにはキャラクターの基本性格について知るといいでしょう。

 

キャラクターの基本性格について解説します。

 

★キャラクターの基本性格について

 

 登場人物の肯定的な性格は「親の影響」「先天的な性格」「人生における成功体験」から形成されます。否定的な性格も「親の影響」「先天的な性格」「人生における失敗体験」から形成されます。

 

 物語では肯定的な性格と否定的な性格がそれぞれ出てきます。例えば『りびんぐゲーム』というマンガ(ネタバレを含みます)ではヒロインのいずみちゃんは「親の影響」から自分には居場所がないという思い込み・否定的な性格をしています。それが物語の中で何度も出てきながら主人公の不破雷蔵と付き合っていくうちに少しずつ癒やされていき、最後は解放されます。またいずみちゃんは度胸があり、先輩である不破雷蔵ともぶつかって喧嘩をしたり、堂々と不破雷蔵に好きだと告白したりします。これは「親の影響」から授かった肯定的な性格です。このように物語の登場人物は肯定的な性格と否定的な性格をそれぞれ持ちます。

 

 肯定的な性格は物語の中で物質的な活躍、物質的な問題、精神的な活躍、精神的な問題として出ます。否定的な性格も物語の中で物質的な活躍、物質的な問題、精神的な活躍、精神的な問題として表れます。

 

物質的な活躍とは肯定的な性格から恋人が出来たり仕事が出来たりすることです。物質的な問題は主人公が突然、仕事を解雇されるとか家が狭くて引っ越したいが出来ずに、さらに自分の勤める会社が自分の家に引っ越してくるなどの、物質的な問題として表れます。精神的な活躍はその性格から皆から好かれたり恋人が出来たりします。精神的な問題は、トラウマになる体験をしたりしてそれが原因で問題として表われます。

 

二つの性格を選ぶ

 

テーマとテーマに合う人物が大まかに決まったら次に巻末の付録の「親の影響」「先天的な性格」「人生における成功・失敗体験」から形成される性格を選びます。

 

「親の影響」「先天的な性格」「人生における成功・失敗体験」の中からテーマに合うものを探し、その中から肯定的な性格と否定的な性格を一つずつ選んで下さい。

 

肯定的な性格は主人公の特技として物語に登場して活躍したり問題を起こしたりします。肯定的な性格を選んだらその性格から何ができるか、どういう活躍をするか、どういう問題が起きるかを後述する三つの発想法を使って、百個ぐらい出します。それがストーリーのエピソードになります。

 

また否定的な性格も同じように発想法を使ってその性格のためにどんな活躍をするか、どういう問題を起こすかを考えて、百個ぐらい出しましょう。例えば主人公の感情の抑圧として問題となって出てきて、それを乗り越えることで読者は感動します。

 

 感情の抑圧について

 

 感情の抑圧についてある本から引用します。以下のとおりです。

 

“感情の抑圧とは、人間が成長していくなかで感情を自分の中に溜め込むことです。

 

 たとえば、電車の中で、スマホを使ってコメディ動画を見ていても大笑いはしません。それは笑い声が周りの人を嫌な気持にさせたりうるさかったりするからです。

 

 子供の時はみんな自然のままなので、笑いたいときに笑い、怒りたいときに怒りました。ところが成長していくうちに、両親や先生たちからその場にそぐわない感情を発散することを咎められます。

たとえば授業中は静かに集中して授業を受けなくてはいけないと教わったり、体育の時間は、真面目に元気よく運動をしないといけないと教わったりします。それが授業のルールだからです。そしてその場にそぐわない感情を表すと、先生から「今は授業中です」と注意されたり、両親から「静かにしなさい」と怒られたりします。そうやって、ルールという制限を与えられ、結果的に感情を押し殺し、溜め込んでいきます。これが感情の抑圧です。

 感情を抑え込んで外に出さず、溜め込むのが感情の抑圧です。

 

 感情を抑圧すると、どうなるかというと、その人の身心のバランスが崩れます。東洋医学では五つの感情をそれぞれ発散することでバランスが取れて健康体でいられると考えられています。しかし感情の抑圧があると、特定の感情を発散することができず、いつまでも溜め込み、その結果、身心のバランスが崩れます。

 

また、感情の抑圧をすると間違った思い込みをします。

たとえば授業中に横の生徒と話をしていたら、先生が険しい顔をして「授業中に私語はいけません」と強く注意されたとします。すると、授業中に個人的なことを言ってはいけないことだと思い込みます。そして、授業中にトイレに行きたくても怖くて先生に言えず、我慢するようになり、ひどい場合はお漏らしをします。このように人間の感情や生理現象を無視する思い込みをして感情を抑圧します。

 

抑圧は、その抑圧した感情を味わうことで解消されるのですが、間違った思い込みがあるため、抑圧はないものとして扱ったり、見ない振りをしたりします。そうやって間違った思い込みのまま特定の感情を溜め続け、ひどくなると病気になったり感情が爆発して犯罪者になったりします。

 

この感情の抑圧を解消するには、安全な空間や安全な人たちに囲まれた場所で、押し殺していた感情を表に出して味わうことです。そして感情の抑圧を解消し、誤った思い込みを捨てて正しい考えを身に付けます。この過程を経て、その人は癒されていきます。

物語の主人公たちは何かしらの感情の抑圧を持っているもので、ストーリー上でそれを解消する流れとなるのが常道でしょう。”

 

引用文献 浅岡家山(2018) そのまま使える物語のネタ帳1 感情の抑圧と解放編  Kindle

 

 例えば映画『グッドウィルハンティング』では(『グッドウィルハンティング』のネタバレを含みます)主人公は虐待を受けた経験からセラピーを受けなくてはいけなくなるのですが、抑圧された感情から目を背けて自分にはセラピーなどいらないと強がり、セラピストを遠ざけるのでした。その後、あるセラピストと出会い、次第に心を開いていき、最後は抑圧した感情を解消して癒され、主人公は虐待を受けた体験を乗り越えて自分の本当にしたい選択を決断できるようになるのでした。

 

感情の抑圧と解消を知る、参考になりますのでぜひ『グッドウィルハンティング』を見てみて下さい。

 

 参考文献 ガス・バン・サント(1997) グッドウィルハンティング/旅立ち パラマウント

 

 感情の抑圧と解消の説明はこれで終わりです。次にキャラを立てる方法について解説します。

 

 

脱線、キャラを立てる方法について

 

 少し脱線しますが、読者に登場人物を記憶してもらうにはキャラを立てる必要があります。

キャラを立てるにはキャラの特技や特徴を三回見せて、一回、意外なところを見せます。特技などを色々な形で三回見せると、読者の頭に記憶されます。そしてそこで意外な面を一回見せると読者に強烈に印象づけます。すると読者は、登場人物はこういうキャラなのだと認知して、キャラが立ちます。この特技を三回見せて、意外なところを一回見せるのは三幕構成の第一幕内で終ります。

 

例えば『T.R.Y』という本では(『T.R.Y』のネタバレを含みます)主人公の伊沢は詐欺師です。詐欺師であることを読者に印象づけるために、まず伊沢が詐欺をして騙した相手と対面するところを書きます。次に伊沢が何故、刑務所に入っているのか、同じ部屋の囚人との会話で詐欺に失敗した話をします。最後に刑務所から出て、実際に詐欺をする場面を書きます。これで読者の頭に伊沢が詐欺師なのだとはっきり記憶させました。そこで、今度は、伊沢は詐欺師だが義賊であり、詐欺をして間接的に被害を受けて職を失った弱者のために裏から手を回して新しい職を斡旋します。ここで義賊という意外な面を見せることで読者に強烈に印象づけることになりました。これでキャラが立つのでした。

 

こんな感じでキャラを立てるために特技や特徴を三回見せて、一回、意外なところを見せるようにして下さい。

もしキャラを立てる方法が難しい場合は『物語を作るための基礎の基礎 その6 登場人物のキャラを立てる特技と意外性について』という電子書籍が参考になると思います。よければ購入してお読み下さい。

 

 

次に三つの発想法から性格のエピソードを作る方法を解説します。

 

★四つの発想法を使って性格からエピソードを作る

 

属性列挙法とロジックツリーとオズボーンのチェックリスト法で発想する。

 

 四つの発想法を使ってエピソードを発想します。

 この四つの発想法を使って肯定的な性格や否定的な性格の属性をロジックツリーで網羅し、それをオズボーン・チェックリストで発想することでエピソードを発想します。

 

具体例を載せます。例えば巻末から肯定的な性格の『完璧癖』を選びます。それを属性列挙法とロジックツリーで発想をします。属性で思いつくことを一時間ほど考えて書き込みました。図3のようになりました。

次にそれをオズボーン・チェックリストで考えます。

 

例えばどんな行動をするか。図3のロジックツリーにある「他人との関係」から「完璧にやるので信頼される。有能な人」という文章を、

 

オズボーン・チェックリストの「七,再配列・アレンジしたら?」「部分を入れ替えられないか? 他のパターンでできないか? 他のレイアウトでできないか? 他の並び方でできないか? 原因と結果を逆転できないか? ペースを変えられないか? スケジュールを変えられないか?」を参考にして発想すると、

 

 有能な人というところを「他のパターンでできないか?」と発想して「遊びを完璧に行なう有能な人」というのをどうでしょう。例えば皆でキャンプに行くのですが、キャンプのしおりを作ってきたり、お金がどのくらいかかるか完璧に把握していて、誰かがジュースを買おうとしたらこの先の売店の方が安いからと止めたりしました。また皆が喜びそうなバーベキュー場を既に予約しておいてさらにキャンプ場で人気の遊具やカヌー、コテージ、ハンモック、焚き火台、まで全て把握して予約を取ってありました。また雨が降っても楽しめるように雨用のキャンプ道具を一揃えしてありました。こんな感じで微に入り細に入り把握して皆が最高に楽しめるように先導するのでした。

 

遊びを完璧にこなすというちょっと変わった完璧癖のエピソードが出来ました。

 

もう一つ例を出します。問題について発想してみます。

 

例えば図3のロジックツリーにある「計画を立てて実践する」から「カレンダーに勉強の計画を書いてできたら○をつける。実行できたら満足する」を

 

オズボーン・チェックリストの「五,縮小したら?」「何か取り除けないか? 小さくできないか? 濃縮できないか? 低くできないか? 短くできないか? 軽くできないか? 細くできないか? 分割できないか?」で発想します。

 

例えば「実行できないために目標を小さくする」が発想できます。主人公は実行できずに苦しんだため、悔しいですが目標を小さくして達成して○をつけました。そこでロジックツリーの「テストで100点を目指して勉強をしたが結果が95点だったので悔しくて泣き出す」を参考にして「目標を小さくして達成できても情けなくて泣き出す」という問題やトラブルの発想が出来ます。

 

主人公がいかに目標を達成することを重視しているか、自分に厳しい完璧癖を表すエピソードが出来ました。

 

こんな感じで三つの発想法を使って、数時間から数日、可能なら数十日かけて活躍や問題をどんどん発想してエピソードを考えて下さい。百個以上発想したら後述する質問表に答えて三幕構成のどこに使えるか考えて下さい。カードや大きめの付箋を用意してそこにエピソードを書き、三幕構成のどこにどれが入るか出し入れしてみるといいでしょう。視覚的にわかりやすくなりどの順番にエピソードを入れると辻褄が合い、面白くなるかがわかります。

 

 次に、逆に考える発想法を紹介します。

 

 逆発想法で発想する

 

 逆発想法とは、漫画家の三田紀房氏の著作『個性を捨てろ! 型にはまれ!』で紹介されていた方法をさらに私なりに工夫した発想法です。

 

 例えば「楽しい話」を発想する場合、すぐに「楽しい話」を発想するのは難しいです。そこでまず逆に考えます。「楽しい話」の逆は「楽しくない話」です。「楽しくない話」にはどんな話があるかを考えます。

 

「不幸な話は楽しくない」、「笑えない話は楽しくない」、「お金がなくなるとか何かを失うのは楽しくない」などが浮かびました。これを逆転させます。

 

例えば「お金を失う」を逆にして「お金を得る」になります。後はどうやって「お金を得る」か考えます。例えば「会社で社長賞を取って金一封もらう」とか「宝くじが当って億万長者になる話」とか「中古の箪笥を買ったら隠し戸棚がありそこにお金が入っていた」とか。簡単に楽しい話が出来ました。

 

こんな感じで逆転させてそれをさらに逆転させることで簡単に発想が出来ます。もう一つ具体例を載せます。

 

例えば「完璧癖」ならまず逆に考えます。完璧の反対は「適当」です。「適当」から浮かぶものを考えます。例えば部屋を掃除せずにゴミ屋敷みたいになっているというのが思い浮かびます。これを逆にすると「部屋は整理整頓されていて本は全て書店のように本棚に綺麗に並べられていて部屋には塵一つない完璧な部屋。それを維持するために主人公は毎日、朝の五時に起きて掃除をする」というのが考えられます。これが「完璧癖」のエピソードの一つになります。こんな風にエピソードを発想します。

 

ここからさらに発展させて属性列挙法とロジックツリーとオズボーン・チェックリスト法を使います。

 

例えば「完璧癖」を発想するために「適当」の属性を列挙してロジックツリーで網羅します。それを逆にします。またはオズボーン・チェックリストを使って網羅した「適当」をどうやって逆にするか一つ一つ当てはめて考えます。こうして「完璧癖」のエピソードを作ることが出来ます。

 

次に物語の基本である三幕構成について解説します。

★三幕構成の説明

 

 三幕構成とは主にシナリオの作り方で紹介されている物語のストーリーの考え方、作り方のことです。図書館や本屋の小説作法の棚に三幕構成に関した本を見かけたことがあると思いますし、ネットで小説作法について調べて出てきたことがあると思います。キャラクターとストーリーは緊密した関係にあり、ストーリーからキャラクターのどういう特徴を見せていくかがわかります。また後述する質問表で、その質問は三幕構成のどこに当るかも書いていますので参考にして下さい。では三幕構成について具体的に説明していきます。

 一,三幕構成の第一幕の解説

 

 第一幕の冒頭では主人公たちの日常を示します。例えば普段している仕事や生活などを見せて主人公たちがどういう人物でどういう仕事をしているかなどを説明しながら物語は進みます。この時、主人公に普遍的な目的や動機、欲望などがあるところを見せることが大切です。それにより読者に共感されます。読者は主人公の目的に共感し、親近感を覚えて自分のことのように感情移入して主人公との一体感を味わい、その後の物語に集中します。

 

 第一幕の冒頭では主人公は何らかの問題を抱えています。性格の欠点や仕事の不満など。主人公は苦しんでいます。主人公はその問題を解決するために新しい行動をします。例えば仕事の今の労働条件を変えるための提案書を出したり、自己主張をすることだったりします。苦しみから逃れるために何かアクションを起こします。主人公が行動しない場合は、無理矢理行動させます。例えば過去に問題があり、それを主人公は見ないふりをしてきたのですが、表沙汰になり逃げられなくなり、嫌でも行動しなければいけなくなります。

 

 主人公は問題を解決するために新しい行動をするのですが幸か不幸かそれは駄目だと拒否されます。今の職場や場所では、その提案などは受け入れて貰えません。今の職場や場所では基本方針に合わないからです。そのため主人公は仕事を解雇されたりその場所を捨て、新しい場所へ連れて行かれたりするかもしれません。または主人公は開いているドアの前で尻込みして前に進めなくなっているかもしれません。

 

 そんな時、主人公は協力者と出会います。協力者は主人公が問題を解決して成長するために必要な人です。協力者は新しい知識や新しい場所に行く方法を教えてくれたり、新しい場所に適した振る舞い方や、ドアの前で尻込みしている主人公を助けてくれたりします。

 

 協力者は主人公の問題に対して共感してくれる人です。協力者と一緒になり、力づけられていよいよ新しい場所に足を踏み入れます。解雇などの思いも寄らぬ災難を受け、主人公は傷つき、新しい生き方なんて目指さなければよかったと思っているかもしれません。でも協力者と出会うことで、主人公は自分を信じて古い人格を捨てる覚悟が出来ました。こうして解雇されたり連れて行かれたりして傷ついた主人公は新しい生き方を受け入れつつあるのでした。

 

 第一幕を例えるならアルバイトの申込みに似ています。アルバイトで言えばお金を稼ぐという目的のために求人を見つけて電話をして面接の日にちが決まります。面接に向けて履歴書を書いて、家族や友人などから忠告を受けて面接に備えます。そして当日に面接を受けます。その後、採用されるかどうか、初めの壁にぶつかり、電話が来て採用されるのでした。

 

 二,三幕構成の第二幕前半の解説

 

 第二幕前半ではまず試練が起きます。古い自己を捨てるために一つ一つ学ぶように問題が起き、それを乗り越えていくことで、少しずつ新しい生き方に馴染んでいきます。またそこで仲間が出来ます。

 

 例えばアルバイトの例で言えば新しい職場に入り、マニュアルを一つ一つ覚えたり、実際に現場で短時間に働いたりするのに似ています。変化を受け入れ、その場に合うように自分を鍛えていきます。

 

 主人公は一つ一つ乗り越えていくなかで同じような共通点のある仲間が出来ます。その人とは一蓮托生で励まし合ったり相談したりします。アルバイトの例で言えば同僚です。一緒に働き仲良くなり、協力するようになります。仲良くなると仕事外で一緒に遊んだりします。

 

 主人公は仲間と心を打ち解け合いながら、主人公が抱える問題を表す敵対者とも初顔合わせをします。敵対者は主人公の行動に対して否定的な態度を取ったり攻撃してきたりします。主人公の新しい生き方を邪魔してきます。何故なら主人公が新しい生き方をすると敵対者の邪魔になるため、そうはさせないぞと攻撃してくるのです。

 

 アルバイトの例で言えば敵対者は職場の古参の人や先輩に当たり、主人公をよく思わない人です。その人たちは変化を拒み、新しく入った主人公をけなします。主人公がミスをするとわざと大事のように言ったりして否定してきます。主人公は仲間に相談したり古参の人との接し方を変えたりすることで敵対者と一定の距離を取りながら働きます。

 

 主人公はそうして自分を鍛えて新しい生き方を身に付けつつ、次の大きな変化のために準備をします。

 

 次の大きな変化をアルバイトの例で言えば職場に新しいバイトが入ってきて、主人公が先輩の立場になることに似ています。

 

 三,三幕構成の第二幕後半の解説

 

 主人公は第二幕後半で敵と対決し、生死をさまよいます。それは例えば過去のトラウマが表面化してそれと初めて対決するのです。今までのような自分を変えようとする行動よりも大きな変化をしないといけません。または敵対者との対決によって死にそうになりながら大きな変化をします。

 

 主人公は逃げ出したくなるぐらい大きなストレスを抱えて、この問題をどうするか悩みます。しかしそれを乗り越えることで今までとは違う変化が起きます。それは古い人格が死に、新しい人格として生まれ変わるのです。

 

 例えばトラウマと向き合い、他人に話したり、カウンセラーに話したりすることでトラウマを正面から受け入れて対決をします。今まではトラウマによって必要のないトラブルを起こしていたのが、トラウマと対決することで自分が本来、トラブルを望んでいないことや、トラブルを起こしてしまう原因を突き止めます。そして本当は何をしたいのかがわかってきます。

 

 主人公は生死をさまよい、今まで避けていた根深い問題と対面し、最大の憂鬱に襲われながらそれを乗り越えて最高の気持ちになります。そして贈り物を手に入れます。それは自分が欲しかったものです。第一幕の冒頭で示された主人公が欲しいと思っていたものです。例えば若くして子供を失っていれば、親戚の子を預かることで癒やされるとか、交通事故で足を失っていれば義足が出来て歩けるようになるとか。

 

 アルバイトの例で言えば、新しいバイトが入り、主人公はその人に仕事を教える教育係になりました。責任が重くなり、新しいバイトの面倒が見られるかプレッシャーを感じます。また新しいバイトは足を引っ張ります。しかし実際に仕事をして、その人を育てることが出来ると本当の意味で主人公は一人前になり、協力者や仲間から認められるのでした。

 

 四,三幕構成の第三幕の解説

 

 自信をつけた主人公は元の世界に戻るか新しい世界へ行くかを選択します。しかしその道中で敵対者が現れます。最後の試練です。敵対者は以前よりも強力になっています。一度、負けているため今度は本腰を入れて襲ってきたのでした。

 

 主人公は敵対者との対決をします。そしてもう一度、死と再生の体験をします。主人公と敵対者は全ての力を出した死闘をします。そして主人公は勝ちます。トラウマと向き合い、抑圧していた感情を解放してトラウマを克服するのでした。

 

 アルバイトの例で言えば主人公をよく思っていない古参の人たちと対決します。古参の人たちは主人公にとって苦手なものの象徴でした。そして主人公は古参の人たちと交流することで苦手だったものを受け入れて新しい人格に成長し、敵対していた古参の人と仲良くなりました。最後まで主人公を否定していた古参(最後まで主人公が拒否していたもの)にも認められたのでした。

 

 主人公はトラウマを克服し、もうトラウマに振り回されません。そして第一章の冒頭で示した主人公の目的や望み、欲求を最高の形で叶えます。または悩みを最高の形で解決しました。

 

 アルバイトの例で言えば主人公は職場で敵対する人がいなくなり、中心人物になります。そしてそこでの学びを終えました。主人公はよりよい人格になるためにそこで正社員として登用されたり、さらに学べる新しい仕事へ向かったりするのでした。

 

 これで三幕構成の解説が終わります。次に細かい部分を決めるためにキャラクターを作るための質問表を出します。質問に答えながら発想法で出た百個のエピソードが三幕構成のどこに当てはまるか考えて下さい。またこれらの質問は全ての登場人物に行なってください。主人公も脇役も協力者、敵対者などなど少しでも出て来る人にも行なって下さい。

サンプルはここまでです。続きは本書をご購入してお読みください。

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